教育福島0192号(1996年(H08)01月)-019page

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四 研究内容

 

1 個を生かす課題設定の工夫

個のよさを引き出すため、生徒の日常生活、環境を生かすなど、導入での工夫を行う。さらに、生徒一人ひとりの問題意識に応じて自己課題を設定したり、問題意識の輪が広がる共通課題の設定など、個のよさを生かす課題設定のあり方を工夫する。

また一人ひとりが自己課題・共通課題の解決への見通しを持てる教師の助言や教材の工夫をする。

2 個を生かす学習活動の工夫

一人ひとりの課題意識・能力・学習スタイル等に応じた、適切な追究方法や学習形態を工夫する。

また、追究の過程や結果を生き生きと表現できる適切な発表の場を設け、よさを生かし認め合いながら、課題の解決が図れるようにする。

3 自己評価能力を育てる支援

(1) 自己評価活動の工夫

自己評価能力を育成するためには、生徒自身に学習のマネージメントサイクル(P.D.S)を踏ませる必要がある。そのため、学習の各段階に応じた自己評価活動を工夫し取り入れることとした。(資料2)

 

資料2 自己評価活動の例

事前の自己評価活動○レディネステストを分析し、補充が必要な事項を把握する。
○単元の学習の流れをつかみ、評価目標を設定する。
学習中の自己評価活動○授業の目標や、探究活動の自己課題を設定する。
○課題追究の仕方やまとめ方などを自己評価する。
小単元末の自己評価活動○自分の評価目標と照らし合わせて学習活動を振り返って評価し、次の小単元での改善策を考える。
単元学期末の自己評価活動○テスト結果など客観的データを分析し、観点別に到達状況を把握する。

 

(2) 相互評価活動の工夫

自己評価活動がスムーズに機能するには、生徒一人ひとりが自分のよさを表現でき、かつ互いに認め合う集団の雰囲気が必要である。そのため学習段階に応じた相互評価活動を取り入れることとした。(資料3)

 

資料3 相互評価活動の例

事前の相互評価活動○補充が必要な事項を互いに確認し合う。
○互いの評価目標を発表し合う。
学習中の相互評価活動○互いの自己課題を練り上げ、共通課題を設定する。○互いの追究方法やまとめ方などのよさを認め合う。
小単元末の相互評価活動○小単元の学習活動におけるお互いの姿勢や取り組みのよさを見つけ合い認め合う。
単元学期末の相互評価活動○テスト結果など客観的データを分析し、集団における到達状況と自分の位置を把握する。

 

(3) 教師の支援としての評価の工夫

生徒が学習活動や評価活動を通して成就感・満足感を得て学習活動の改善すべき方向を見いだせるようにするため、生徒の活動を教師が肯定的に評価してよさを認めるとともに、専門的な見地からアドバイスを与えたり、教師の持つ客観的な評価結果をフィードバックするなど、生徒の自己評価能力を伸ばす支援としての教師の評価や自己評価活動への関わり方を研究することとした。

 

五 研究方法

 

1 研究の基本姿勢

「一人ひとりのよさを生かす評価の工夫」の研究実践は、生徒の自己評価能力を育成し、学ぼうとする力や学んでいく力を高めることで、学んで得た力や応用・転移する力を高め、生徒の学力向上をねらうものである。本校では、この研究のねらいと基本姿勢を踏まえ、全教科で組織的・計画的に実践に取り組むこととした。

2 研究組織(省略)

3 研究計画(省略)

 

六 教科研究の実践

 

九教科における取り組みのうち、国語科における実践例をあげてみる。

1 国語科における実践

(1) 国語科のめざす生徒像

文章に親しみ、言語活動を通して自らの考えを深め、表現する生徒。

(2) 国語科研究課題

一人ひとりの主体的な読みを育て、よりよい思考や表現を追究させる評価の工夫。

(3) 国語科研究仮説

課題解決学習や発表・討論活動の中で、1)個に応じた多様な学習活動、2)一人ひとりを生かす表現活動、3)自らの考えを深める評価活動を行えば、一人ひとりの主体的な読みを育て、言葉による思考力や表現力を高められるであろう。

(4) 研究内容

1) 個に応じた多様な学習活動の工夫

学習課題づくりを通して個に応じた課題が設定できるようにするとともに、自力解決を図るために個人学

 

 

 


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