教育福島0192号(1996年(H08)01月)-021page
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七 研究の成果
1 個を生かす課題設定の工夫から課題設定の工夫点をまとめると、
1) 日常生活や環境を生かした導入
2) モデル化や操作活動など課題の具体化の工夫
3) 学級全体の共通課題に基づき、個に応じた自己課題の設定
その結果、生徒の問題意識を高め、一人ひとりに確実に課題をつかませ、学習への集中力を高めることができた。また、課題解決への見通しや考えを述べ合ったりして、その後の多様な学習活動を進める動機づけとなり、個のよさを引き出すことにつながったと考えている。
2 個を生かす学習活動の工夫から学習活動の工夫点をまとめると、
1) 一人調べ→グループ討議→全体討議、などの学習の流れの工夫
2) 課題選択・コース別学習の導入
3) ディベートやワークショップ活動などの学習・発表形態の工夫
その結果、一人ひとりがその持ち味を生かして課題追究に取り組みよさを発揮し、互いの考えを揺さぶり合いながら、個に応じた課題解決が図られた。
3 自己評価能力を育てる支援から
(1) 自己評価活動の工夫から自己評価の工夫点をまとめると、
1) 単元導入時の自己目標の設定
2) カードやノート・ワークシート等を使った毎時間の自己評価
3) 単元末での観点別学習状況の自己評価(資料5)
その結果、学習への目的意識を高め、学習状況を自己点検しながら学習する姿が多く見られ、わかる・できる喜びやよさを自己認識させることができた。
資料5 評価カードの例(理科)
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(2) 相互評価活動の工夫から
ディベートやペア・グループ発表、ワークショップ活動など、相互評価活動を包含した学習活動を展開し、互いの考えを深め合ったり、揺さぶり合ったりして、相互の向上意欲を高めることができた。
(3) 教師の支援の工夫から(資料6)
評価の方法や支援の仕方を指導過程に明確に位置づけて、生徒のよさを認め、肯定的に評価するとともに、専門的な立場からの助言や向上へのアドバイスを行った。その結果、生徒によさを自己認識させ、学習活動改善の意欲を高めることができた。
資料6 指導過程の例(美術)
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4 実態調査からみた生徒の変容
事前・事後の調査では、次のような変容が見られた。
1) 自ら課題を見つけ、解決の見通しや方法を考える主体的な学習態度が身に付いてきた。
2) 課題解決を通して自分のよさを見つけ、充実感を感じている生徒が増えた。
3) 学習に目的意識を持って取り組み向上意欲が高まってきた。
八 今後の課題と改善に向けて
今後は評価活動の質的な向上に取り組みつつ、何がわかりできるようになったか、次はどのような内容に取り組むのかをより明確にとらえられるよう、学習内容に即した自己評価能力の一層の向上を図りたい。そのため、教師が生徒のよさをどうとらえ、指導していくか、教師の関わり方(指導と評価の一体化)に力を入れて授業の改善に取り組みたい。
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