教育福島0192号(1996年(H08)01月)-037page

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本県のボランティア活動推進事業"うつくしま、ふくしま。"ふれあいボランティア推進事業

〔県教育委員会〕

平成五年度からの取り組み

 

県教育委員会では、昭和五十七年度から、「在学青年社会参加活動事業」を、さらに昭和六十年度から「青少年ボランティア参加促進事業」を実施し、中学生・高校生の実践的なボランティア活動の機会の提供と、活動の中心的な役割を担うリーダーの養成を図ってきたが、近年の県民全体のボランティアに対する関心の高まりに応えるために、前述の二つの事業の成果を踏まえ、平成五年度から対象を小学生から高齢者までの幅広い年齢層に広げ、名称も「"うつくしま、ふくしま。″ふれあいボランティア推進事業」として、生涯学習ボランティア活動の推進を図ることになった。

事業の概要及び各年度の実施内容と成果は次のとおりである。

 

事業の概要

 

一、生涯学習ボランティア活動総合推進委員会の設置

本事業推進の方向づけと、全般的な促進に係わる、企画・助言・連絡調整、また評価等を行う。十一〜十二名構成。モデル的事業委託市町村の教育委員会や委託団体等の代表者、学識経験者、各種ボランティア関係団体の代表者、活動実践者など。

二、「活動の場の開発」事業

ボランティア活動の場の発見と認識を深めるため、四〜五団体等にモデル的事業を委託する。委託団体等は、このため、

(一) 活動開発調査研究会を設置し、事前調査研究を実施する。次いで、

(二) モデル的事業を実施する。

三、情報提供・相談事業

本事業主管の県教育庁生涯学習課が行う。内容は、年度末に当該年度の報告書「心の豊かさと生きがいをもとめて」を作成し、委託団体等が行ったモデル的事業の紹介を行い、併せてボランティア活動希望者名薄を掲載し、紹介する。

四、ボランティアの養成と研修事業

県教育委員会が主催する。

(一) ボランティアリーダー養成講座の開設

県内を浜通り・中通り・会津に三分割してリーダーの養成に当たる。当該地域の宿泊研修施設を利用して、二泊三日で実施。担当は各地域の教育事務所。各会場とも五十名程度。平成七年度より実施。

(二) 生涯学習ボランティアセミナーの実施

生涯学習課が担当。

毎年十二月の第二土曜日開催。モデル的事業委託団体の発表や、参加者同士の交流と交歓を行う。毎回、ボランティアについての有識者や実践活動者の講演などを設定した。ボランティアに関心のある県民だれもが参加できる。

五、ボランティアに関する実態調査

生涯学習ボランティア活動総合推進委員会の助言等を受け、生涯学習課が実施する。これまでの調査内容は次のとおり。

○平成五年度「ボランティア活動に関する意識及び実態調査」

対象 青少年百四十七名

一般成人一、〇一三名

○平成六年度「ボランティアに関する学習機会の実態調査」

対象 市町村教育委員会九十

公民館中央館八十六館

公民館地区館二百二十五館

市町村ボランティア関係の各課(首長部局)九十二課

○平成七年度「ボランティアに関する学校での学習機会」

対象 小学校百二十校

中学校五十校

高等学校二十八校

六、その他

「ボランティアガイドブック」の作成 平成六年度

ボランティアの入門・手引き書として生涯学習課が作成、発行。

内容は二部構成。前半はQ&A形式でボランティアについて平易に解説。後半は、読者の身近なところにあるボランティア組織や団体の紹介。

活動希望者の便宜を図り、各組織団体の活動内容及び連絡先を明示した。

 

成果と課題

 

本事業を実施しての成果は、モデル事業を委託した団体等において、顕著に見られるところである。

主なものとして、自分たちの居住地域にそれまで意識しなかったボランティア活動の場があることに気づいたこと、委託を受けたことで、それまで連携がとれていなかったボランティア組織間に協力態勢が生じてきたこと、さらには活動の場の開発前に行った意識調査等によって、住民の実態が明らかになったことなどが挙げられる。

また、事業実施の波及効果として住民のボランティアに関する関心が高まったということなどがある。

一方、県側が行っている実態調査によって、県民のボランティアについての学習機会の拡大や、青少年のボランティア活動への動機づけ、活動への成人男性の参加促進、また相談員等の確保など、今後努力を要することなどが明らかになった。

 

 

 


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