教育福島0193号(1996年(H08)02月)-017page

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随想

日々の想い

ずいそう

 

見つめよう自然のすばらしさ

秦尚志

 

「うわあ、アリの怪獣だ」

 

「うわあ、アリの怪獣だ」

「ジャングルの中にいるみたいだ」

これは、ネイチャーゲームの「ミクロハイク」という活動を行っている時の子供たちの歓声です。このゲームは、虫眼鏡を片手に草むらの中や地面をはい回り、虫や草の葉裏や木肌を観察するという活動です。

私たちの学校では、昨年度から、環境教育の研究に取り組んでいます。身近な自然を生かしながら、自然のよさや不思議さに触れさせることで自然を守っていこうとする児童を育てようと、様々な活動や授業に取り組んできました。ネイチャーゲームもその活動の一つです。

子供たちと一緒に、学校の中庭をはい回って見ます。するとそこには、本当にアリの怪獣があごをむき出してこちらをにらみ、雑草はうっそうと茂ったジャングルのように神秘的な雰囲気を醸し出しています。普段、我々が見向きもしなかった所にも小さな生き物たちの素敵な、そして興味のそそられる世界が広がっているのです。私も、子供たちと一緒にこうした世界に引き込まれ、時間の経つのも忘れてしまうのです。

これらの活動を通して、実は私自身も、自分の身近にこんな素晴らしい自然があったのだということに改めて気付くことができ、今まで以上に自然、特に小さな生き物たちが身近になったような気がします。今まで見過ごしていた草むらの中にも様々な生き物たちが息づいているという事実に気付くことができたこと一つを挙げても、環境教育とのうれしい出会いでした。

さらに、今までは環境教育というと、大気汚染、オゾン層破壊といった地球規模の環境問題にのみ目が行き、自分たちの生活とはかけ離れたものととらえがちでしたが、今回の研究を通して、自分たちの足元を見つめ直すことの大切さを知ることができたのも大きな収穫でした。

もし、この研究に取り組まなかったら、結局環境問題は自分とは関係のない問題だという考えのままでいたと思います。しかし今は自分たちの身近な自然を見つめ直し、その自然を守っていこうとする児童を一人でも多く育てることが、この豊かな地球を守っていくことにつながるんだと気付くことができました。

これからも、「見つめよう自然の不思議、すばらしさ」を合い言葉に、子供たちと一緒に自然のすばらしさを満喫しながら、自然を大切にし、守っていこうとする子供を育てていきたいと思います。

(会津坂下町立坂下小学校教諭)

 

心のあいさつ

永井美也子

 

。そして更に日本を外から見ることで良い所、悪い所を再発見できるからです。

 

私は海外旅行がとても好きです。異国の地で、異国の文化、習慣に触れ、さまざまな人たちと接することができるからです。そして更に日本を外から見ることで良い所、悪い所を再発見できるからです。

そんな旅行の中での出来事でした。大学の後輩と二人旅を計画しました。もちろんツアーではなく二人だけの旅です。シカゴの友人を訪ねるロス経由八日間の旅。空港での迎えもなく、すべて自分たちでトライしなければなりません。

「ハロー」まずはあいさつから始めなければなりません。空港のロビーで係の人やタクシーの運転手に、ホテルではボーイやフロントマンにと、様々な人へのあいさつの場があります。その人たちにその時の私はどんな顔で話しかけていたのでしょうか。きっと、不安な様子だったと思います。でも、そのすべての人たちは、忙しいときでさえも、笑顔でやさしく接してくれました。そんな中で、

 

 

 


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