教育福島0193号(1996年(H08)02月)-026page
事業概要
−研究・研修の充実をめざして−
教育センター
一、研修事業
平成八年度の福島県教育センター研修計画(カレンダー)の作成にあたっては、学校運営や児童・生徒の教育活動に支障がないように配慮し始業式・終業式の前後には講座を設定しないようにしました。また、研修で一週間連続して学校をあけることがないようにしました。
平成八年度から各種講座で「ソフトウェアライブラリセンター」の利用・活用を推進してまいります。
(一) 基本研修
目標は次の三点です。
・教職ステージに応じた研修
・授業に生きる実践的、専門的研修
・研修者の主体性を生かす参加型の研修
1) 初任者研修
教員としての基礎づくりを目指した内容で構成しています。
教科によってはグループで学習指導案を作成し、マイクロティーチングで検証、研究協議で評価するなどP.D.Sの基本が体得できます。
教職の講座として、演習を通して基礎的な知識・技能が習得できる「生徒指導・教育相談」、初心者にも分かりやすいコンピュータの体験研修「情報リテラシー」等があります。
2) 経験者研修1)(教職五年対象)
教員の成長期であり、授業を中心にした研修を組んでいます。
演習、実験、協議など多様な方法・形態を取り入れ、研修者からの発信を大切にした、授業に生かせる実践的、専門的な内容です。
教職の講座には児童・生徒へのより深い理解、支援を目指した「生徒指導・教育相談」等があります。
3) 経験者研修2)(教職十年対象)
教員としての発展期であり、視野の拡大、教科・教職全般の深化がねらいです。
「生徒指導・教育相談」は、中堅という立場を考慮し、学年・学級経営の視点から迫ります。「情報教育」は、研修者の個人差とニーズに配慮したパソコン実習です。
また、全体講話は、視野の拡大を目指し、教育畑以外から著名人、有識者を講師に迎えます。
(二) 専門研修
1) 専門研修2)
教科の専門性の深化や時代のニーズと社会の変化に対応して三十講座を実施します。
平成八年度から「登校拒否研修講座」「中学校オーラル・コミュニケーション講座」が新設されます。
「登校拒否研修講座」(人員七十名)は登校拒否児童・生徒への支援・対応、予防的、開発的指導等の内容で緊急の課題に対応するため専門家を講師に招いて実施します。
「中学校オーラル・コミュニケーション講座」(英語担当教員二十四名)はALT(英語指導助手)も研修者として加わる(ティームティーチング等)英語による英語の講座です。
2) 専門研修3)
学校経営(A)、(B)、教育研究法講座があります。
学校教育全般にわたり、広い視野を培い、指導力を高めるため、助言者とマンツーマンの形で課題、主題研究に取り組みます。
二、研究事業
教育センターでは、県教育委員会のシンクタンクとしての期待に十分応えられるように努め、本県教育推進上の課題や学校教育の在り方に対応する研究を先導的・専門的に行っています。
研究の形態としては、全所的体制で取り組む『プロジェクト研究』、各部が取り組む『部研究』、個人テーマによる『個人研究』の三形態で、いずれも学校教育の充実・進展に資することを目指して研究を進めていく予定です。
(一) 学力向上に関する調査研究
1) 学力到達度調査研究
本県小・中学生の学力の到達度について調査を実施しましたが、この結果を分析し、研修講座に活用するとともに、県内小・中学校の学習指導の改善に生かせる「手引」を作成して学力向上の充実に結びつけたい