教育福島0193号(1996年(H08)02月)-027page

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と考えております。

2) 学力診断テスト研究開発

平成六年度から研究開発を進めてきた「学力診断テスト」が小四〜中三まで完成しました。

今後は、診断結果を基にテスト改善や、授業改善に向けた研究を継続します。

(二) 「教育情報ネットワークシステム研究」

県内各学校において、情報教育に必要なコンピュータの整備が進んでいます。多種多様な情報の整理、収集、発信など情報の有効活用が叫ばれていますので、本所ではマルチメディア化、ネットワーク化に関する研究・研修を行っています。

本研究では、平成七年度に設置されたソフトウェアライブラリセンターの活用、情報処理技術者活用、マルチメディア教育利用研究などを通して学校教育の向上を図る上で情報教育が果たす役割として何が必要かを研究します。本県のネットワークシステムが実現した時に、適切な運用が図られるような調査研究になるよう努めます。

(三) 「教育相談調査研究」

平成七年度から二年計画で「児童生徒への学校適応への指導援助の在り方」を研究主題に研究を進めています。この研究では、構成的グループ・エンカウンターなどをとおして学級内の対人関係の拡大・改善や好ましい人間関係づくりを図る研究をしてきました。

平成八年度は、学級内での児童生徒一人一人が、互いにそのよさや違いを認め合える人間関係づくりを目指した研究を進めていきたいと考えております。

 

三、情報教育

 

県教育センターでは「ふくしま情報教育推進計画」の達成のために、教員のコンピュータ活用能力向上と指導できる教員の育成を図るための研修を進めています。

基本研修では、主に授業におけるコンピュータ活用事例やリテラシー向上のための基礎研修を行います。特に、経験者研修2)では、研修者のリテラシーに応じて、コース制による研修を行います。また、各学校におけるソフトウェア導入に際し、適切に購入ができるよう本所のソフトウェアライブラリセンターにおいて、試行体験を行います。

専門研修では、指導者の育成研修として、プログラム言語研修、アプリケーションソフトウェアの活用研修、授業でのコンピュータ活用を図るための中央講師等による講義などを行います。

ソフトウェアライブラリセンターでの学習ソフトウェアの体験や、マルチメディア研修など、これからも魅力ある講座の実施に努力します。

 

四、教育相談

 

(一) 来所・電話相談

不登校やいじめをはじめとする教育上の様々や問題について、保護者や学校からの相談に応じ、カウンセリング・遊戯療法等による指導援助を行います。また、必要に応じて専門医のカウンセリング、心理判定員による心理テストも行っています。

平成八年度からは、これまでの個別的な指導援助に加えて、集団活動(フレンドリーサークル)を取り入れた指導援助を不登校児童生徒を対象に行います。

平成七年十二月末までの来所相談は延べ六〇九人、電話相談は六〇三回となっています。主訴別では、次のような相談内容が目立ちました。1)性格・行動(不登校・かん黙・言語問題・性的問題・暴力的問題・集団不適応)2)進路・適性(進路指導・就学指導)3)身体反応(抜毛・抑うつ)4)教育一般(子供の養育・生徒指導の在り方)

いじめ問題を含む相談は、来所相談では全相談の一三%、電話相談では全相談の一六%であった。指導援助は、関係学校、専門機関との連絡を取りながら進めています。

 

五、教育図書・教育資料

 

(一) 教育図書・教育資料の収集・管理と資料提供

学校教育の在り方や進め方に資する研究、あるいは教育活動を支援するため、教育専門書、教育研究図書、大学や教育研究機関の研究紀要、月刊誌等を広く収集、整理し、その総数は約九〇、〇〇〇冊に達しました。これらの中には教育界の最新の動向を踏まえた研究物が多いので、毎年『教育資料件名目録』としてまとめ、各学校に紹介しています。これらの図書・資料等は当教育センターで閲覧できる他、貸出しの便宜も図っています。(遠隔地の方には郵送等による貸出しも行っています。)また、照会があればキーワードを入力し、コンピュータで即座に検索し利用に応じています。その他、現職教育や教育研究にかかわる相談を来所又は電話で応じていますので気軽にお寄せください。

(二) 「所報ふくしま」の発行

教育センターのプロジェクト研究・部研究・所員の個人研究や研修者の研究及び県内の小・中・高校の実践研究等を紹介する広報誌として、年三回「所報ふくしま」を発行します。

 

 

 


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