教育福島0193号(1996年(H08)02月)-037page

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博物館ノート

「福島の山岳信仰」

スポーツとしての近代登山が盛んになるまで、日本の登山はもっぱら一部の宗教者や民衆によって担われてきました。

長い間、山は日本人にとって聖地でした。山は我々日本人にとって生まれ出てくる場であり、死して帰るべき場として、母親の胎内にもたとえられる存在でした。また、農作物の豊かな稔りをもたらしてくれる霊験あらたかな存在として、人々に崇めたてまつられてきました。

この企画展では、福島県内における山に対する人々の信仰を紹介します。飯豊山や磐梯山、ハヤマなど信仰の対象になってきた主な山や、それらの山への信仰の先達として活躍してきた修験者(山伏)についても紹介する予定です。

県内では中世以来多くの修験が活躍していたことが知られています。聖護院道興の紀行文『廻国雑記』にも、県内の修験の名前が見えます。村に住み着き在地の宗教者として活躍した、法印様と呼ばれる多くの修験もいました。彼らの活動を示す幣束や、そして呪い札。さらに修験が伝えた多くの文化財を展示します。山への信仰、そして修験とはなにかを理解する一助になればと思います。

御礼版木

御礼版木

山伏絵馬

山伏絵馬

銅鉢(重要文化財)

銅鉢(重要文化財)


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