教育福島0194号(1996年(H08)04月)-011page
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(研究実践)
平成七年度研究指定校における実践
自己を見つめ、高まりを求めて生きる子供を育てる道徳教育
〜生き生きと取り組める道徳の時間の追究と道徳的実践の具現をめざして〜
郡山市立三和小学校
一 研究実践の概要
1 指導計画の充実
(一) 道徳教育全体計画の充実
本校における道徳教育の基本的な方針を示す計画で、すべての教育活動と有機的に関連が図れるようにした。また、重点目標及び学年ごとの重点内容項目を設定した。
(二) 道徳教育年間指導計画の活用、改善
道徳の時間の指導が意図的、計画的に行われるように作成した。特に各学年の重点内容項目については、「他領域との関連を図った『道徳の時間』の指導計画」を作成した。
(三) 学級における指導計画活用、改善
学級における指導計画の具体化の方法として「道徳教育推進カード」を作成し、週の具体的な教師の働きかけを計画し実施した。更に子供の様子と反省を記入し、累積してきた。
2 道徳の時間の充実
(一) 事前事後の系統性ある指導計画の工夫道徳の時間の事前事後の各教科、特別活動等の学習のポイントを示した指導計画を作成した。更に、座席表を活用し、児童の実態を把握して授業の支援及び評価に役立てた。
(二) 資料の選択、開発と活用の工夫
児童の実態に即した資料の選択、開発に努めた。また、資料分析を行い、それに基づく資料の提示と活用を工夫した。
(三) 価値を追求し、自己を見つめるための表現活動の工夫
児童の実態に即した柔軟な発想に基づく学習過程を展開し、発問、学習形態、話し合い、書く活動を工夫した。
3 道徳的実践の充実
(一) よさを認め、高めていこうとする環境作り
「児童理解と教師の働きかけカード」を作成し、個々の児童の道徳性の実態把握と指導、・援助の記録を累積し、支援した。
(二) 豊かな体験活動の場の設定
学校行事や児童会活動などで、児童が主体的に関わる道徳的実践の場の設定を工夫した。
4 学校と家庭・地域社会との連携
(一) 児童の道徳性育成に関する啓発活動の展開
広報活動、道徳の時間の授業参観懇談会を実施し、道徳教育に関する理解、協力を得た。
(二) 児童の実践力を培う家庭教育の推進
児童の家庭での道徳的実践や休日の主体的な生活づくりを促すため、家庭用掲示物「豊かな心と生きる力を育てる家庭生活」と小冊子「たのしいね」を作成し、活用した。
(三) 地域、関係機関、諸団体との連携
PTAの協力による体験的活動の充実を図るとともに、地域の方を講師として招聘するクラブ活動を実施した。更に、一人暮らしの老人との交流等を行った。
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二 研究の成果と課題
1 「他領域との関連を図った『道徳の時間』の指導計画」「道徳教育推進カード」「児童理解と教師の働きかけカード」の作成、活用により、全体計画及び学級における指導計画が日々の教育活動に具体化され、計画、実施、評価を有機的に累積することができた。また、徐々にではあるが着実に児童の道徳性が育成されてきている。
2 今後は、自ら相手の立場や気持ちを考えて主体的に道徳的実践のできる児童の育成を目指し、道徳の時間を中核とした道徳教育の改善を図りたい。更に、家庭・地域社会との連携の仕方を工夫し、息の長い活動を続けていきたい。
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