教育福島0194号(1996年(H08)04月)-012page
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豊かな心をもち、自ら進んで実践する子供の育成
−思いやりの心を育て、実践力を高める道徳の指導−
原町市立石神第二小学校
一 研究のねらい
価値観の類型化を活用した道徳の授業を核とする総合単元的な道徳学(「道徳ふれあい学習」)と家庭・地域社会との連携を通して、道徳的実践力と道徳実践の有機的関連を図り、主体的に実践できる児童を育てることをねらいとした。
二 研究の実際
1 「価値観の類型化」を活用した道徳の授業
(一) 価値観の類型化
「価値観の類型化」とは、価値の追求・把握の段階で、中心発問によって児童から出された多様な考え方を、ねらいとする価値に照らして児童にわかりやすく整理し、自己を見つめる基準を示していくことであるととらえた。
(二) 「価値観の類型化」の活用
展開の前段と後段の両場面において活用し、価値の内面的自覚を図った。
2 道徳ふれあい学習と豊かな体験活動
(一) 道徳ふれあい学習
豊かな体験活動が行われるよう「道徳的ふれあい学習計画」を作成し、道徳の時間の充実を図った。
(1) 学校教育活動全体と関連づけて計画を作成した。
(2) 事前指導と事後指導の関連を強くし、学習経験や活動体験が授業の中で生かされるようにした。
(二) 豊かな体験
道徳的実践力を育てる授業を充実させるとともに、実践につながる豊かな体験活動との関連を計画的に進め、より確かな道徳的実践ができるようにした。
(1) 心の広場
子供に、思いやり・親切の心を育てる場として「心の広場」を設定した。
1) 難民絵画展
2) 盲目のオルガン奏者大島彰演奏会と講演
3) 講演「南極に立った石二小の校旗」
4) 空き缶活動で車椅子を贈る運動
5) 敬老者への手紙
(2) 光る汗の広場
児童が主体的に活動し、継続的に実践する場として「光る汗の広場」を設定した。
1) 国体・市民・石神地区クリーンデーへの参加
2) ラジオ体操後の清掃活動
3) 愛校活動(奉仕的活動・校内美化活動など)
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三 家庭・地域社会との連携
道徳的行為の豊かな体験は、家庭や地域社会に負うところが大きい。道徳教育の一層の充実を図るため、家庭や地域社会に積極的に働きかけ、道徳的実践活動を展開してきた。
(一) 広報による啓発活動
(1) 校報「国見山」の定期発行
(2) 各学年・学級だよりの発行
(二) 地域における実践活動
(1) 国体・市民・石神地区クリーン活動
(2) 小さな親切運動の推進
(三) 「心の教育ふれあい会議」
(1) 学校職員、保護者、行政区長など地域代表で構成
(2) 第二回「心の教育ふれあい会議」からの提唱内容
「地域ぐるみで、あいさつ運動を展開しよう」
四 研究の成果
1 「価値観の類型化」を活用した授業を展開することによって、子供たちが多様な価値観に気づくとともに、より深く自分自身をつめることができるようになってきた。
2 道徳ふれあい学習計画をもとに授業を実践してきた結果、子供たちが、以前の学習や他の体験を思い出して発表したり、自分の心情や態度をふり返って書いたりできるようになってきた。
五 今後の課題
1 「価値観の類型化」は一つの有効な手だてではあるが万能ではない。資料及び価値内容に応じた効果的な指導法を研究していく必要がある。
2 「心の教育ふれあい会議」の活動は、継続的な推進が必要である。
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