教育福島0194号(1996年(H08)04月)-013page
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自己を正しく見つめ、互いを高め合う道徳教育の実践
−特別活動との関連を図りながら−
飯野町立飯野中学校
一 目指す生徒像
1 これまでの生活を振り返り、自分のよさに気づく生徒
2 他のよさを素直に受け止められる広い心をもつ生徒
3 集団の向上のため、自己のよさを発揮しながら互いに協力できる生徒
次の評価基準により、生徒像に迫れたかを反省することにした。
1 個々の持ち味を生かした活動が見られるようになったか。
2 言葉や態度で称賛する姿が見られたか。
3 励まし、協力し合って行事に参加したか。
この基準は「心への指導は何らかの形で、生徒の日常生活や活動の様子に表れることが多いのではないか。」という考えに基づいている。
二 研究実践の概要
1 授業研究部
道徳的実践力の向上を目指し、四つの研究内容で取り組んだ。
(1) 年間指導計画の見直し
生徒の道徳性を多角的に分析し、学級の実態や生徒活動などとの関連を図り、より弾力的で重点的な指導ができる指導計画に改善した。
(2) 道徳の時間の指導法の工夫
道徳の時間の充実を目指して、五つの視点から研究を進めた。
1) 興味・関心を持たせる手だて
2) 一人一人に自分の考えを持たせる手だて
3) 生徒の多様な意見を引き出し、考えを深めさせる手だて
4) 自己内省を図る手だて
5) 価値の保持を図る手だて
(3) 道徳の時間の指導記録の累積
教師一人一人の実践内容を資料ごとにファイルし、次の指導者の参考となるように配慮した。
(4) 道徳の時間の資料評価
文章の適切性やねらいとの結び付きなど五点から資料評価表を作成し、その項目にしたがって資料の評価を行った。この評価表を次年度の指導計画作成に活用することとした。
2 生活活動部
道徳の時間を中心として培われた道徳的実践力を生徒活動と十分関連づけるとともに、実践する場として学校行事などの中から四つを選び出し内面に根ざした道徳性の育成を目指した。そのために以下の三つの研究内容で取り組んできた。
(1) 道徳的価値と学校行事などの関連の明確化
(2) 道徳的実践指導関連図による道徳教育の実践
1) 重点指導内容項目の選び出し
2) 学校教育の様々な場面における指導内容の検討
3) 実践場面における望ましい生徒の姿と道徳との関連の明確化
4) 活動後のアンケートや作文による生徒の意識調査
(3) 「自己を見つめる時間」の実施
毎週、各クラスごとに「ちょっといい話」のような資料を使って、生徒
が自分を振り返り、考えを新たにできるような機会を設けてきた。
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三 研究の成果
これまでの実践を通して、生徒たちは自分をよく振り返り、道徳の時間の発表内容や価値の捉え方に深まりが見られるようになった。また、生徒の自主的活動も活発になり、他を受け入れる心や思いやりの心が育ってきた。このような姿から研究が目指してきた生徒像にある程度せまることができたと考えられる。
四 今後の課題
(1) 目指す生徒像から
自分のよさに気づき進んでよさを発揮できる生徒の育成にさらに努める。
(2) 研究全般を通して
活動を通して高められた道徳的価値を補充・深化・統合する意義や有効性の研究に発展させる。
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