教育福島0194号(1996年(H08)04月)-016page
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教育センターから
児童生徒の学校適応への指導援助の在り方に関する研究(第1年次)
−一人一人のよさや違いを認め合う学級の人間関係づくり−
教育相談部
一 研究のねらい
現在の児童生徒(以下、生徒と記す)は、幼少期から人間関係が希薄になりがちであり、このことが学校不適応に陥る大きな要因の一つと考えられる。
学校適応への指導援助では、個すなわち個人への指導援助ばかりでなく、生徒の学校生活の基盤である学級にも目を向け「個と環境(特に学級の人間関係)との調整」という視点からの指導援助も重要である。
そこで本研究では、学級内において好ましい人間関係を深めることを目指して、学校適応への指導援助の在り方について、実践を通して研究することにした。
二 研究の概要
1 指導援助の方針
学級において好ましい人間関係を深めるためには、生徒一人一人が学級内での対人関係の拡大・改善を図ることが必要である。このことは、自己理解や他者理解を一層深めることにより達成できると考えた。
そこで、学級の生徒全員を研究対象として、学級の人間関係づくりに有効であるとされる構成的グループ・エンカウンターを中心とした指導援助を、小・中・高等学校それぞれ二学級で行うことにした。
2 生徒のとらえ方
アンケートと学級担任の日常の観察を基にして、生徒を 《適応》 《順応》 《不適応》 にグループ分けすることにした。表1は、それぞれの特徴を示したものである。
この中から、日ごろなかなか教師の目が届きにくいと言われる 《順応》 の生徒に焦点を当てて研究を進めることにした。
3 実践内容
(1) 指導援助の在り方を探るための調査研究
アンケートにより、生徒一人一人の学級生活の実態をとらえることにした。調査項目は、次のとおりである。
◎適応を探る項目(図1の1)〜5))
◎順応を探る項目(図1の6)と7))
◎好ましい人間関係をみる項目(図1の8)と9))
◎互いのよさや違いを認め合えるかをみる項目(図1の10)と11))
次のものは、中学生・高校生用のアンケートの一部である。
8) あなたが、この学校の一員であることに誇りを感じていますか。
・とても・まあまあ・あまり・ぜんぜん
表1 各グループの特徴
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