教育福島0194号(1996年(H08)04月)-019page
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(3) 内容
福島県教育委員会から委嘱された相談員が県教育センター内に設置されている専用電話「すくすくダイヤル〇二四五-五三-八二二二」により県民の家庭教育に関する悩みの相談に応じます。
(4) 相談員
教育学、心理学、心理カウンセリング及び社会教育関係などの専門家があたります。
(5) 受付期間及び日時
○期間 平成八年四月一日から平成九年三月三十一日まで
○毎週 月〜金の五日間(祝日などは除く)午前九時三十分〜午後二時までとなっています。
(6) 相談状況
平成七年度の電話相談における年間相談件数は三百九十七件で、六年度より六十件近く増え、最近では最も多い件数になっています。月別では昨年より六月、八、九、十月の件数が増加していますが、相談機関が多様化する中、全国的に身近で手軽な電話相談を利用する傾向が多くなってきたものと考えられます。
自分が暮らしている地域社会の中に、頼れる人がいないという人が多くなったこと、家庭内の家族数が減って相談相手になってくれる人が少なくなったこと、専門家に相談することがごく当たり前になってきたことなどさまざまな原因が考えられます。
相談者については母親が六割近くを占め、次いで本人からの相談が二割、父親や祖父母からの相談も見られ、相談者の範囲も広がってきております。父親からの相談が三十一件と多くなっているのが目立ちます。最近の傾向としては、子育て以外の家庭内の問題や本人の悩みを相談する母親も増加しています。
また、相談の内容については、第一位はいじめ、第二位は性の問題、第三位は育児保育、第四位は健康発育、第五位は家庭の人間関係となっています。特に、平成七年度は小学生から高校生までいじめについての相談が上位を占めており、六年度の二倍に増えています。いじめについては社会的にも問題になっていますが、深刻で解決が急がれるものについてはダイヤルSOSなどを紹介しています。(表2)
匿名が尊重され対面する必要のない電話相談の需要が高まっています。
子育てについての相談から発展して夫婦関係やしゅうととの関係など家庭教育の範囲を越えた相談がますます増えることが予想されます。
五 おわりに
家庭や学校での子育て、教育、さらに地域社会における人間関係など、問題が多様化し、親もその悩みや不安から抜け出せない状況の中で家庭教育に関する相談事業、巡回相談や電話相談は家庭の会話不足や近隣のコミュニケーションの不足を補う意味において、相談者の心の安定を図り、子育てに対する助言を行う機会や機関として大きな役割を果たしてきました。
今後はさらに多くの相談が寄せられることが予想されますが、できるだけ相談者のお役に立てるよう努力していきたいと思います。
表2 各時期における相談内容(延べ件数)
対象別 相談内容の順位 内容件数 %
1位 2位 3位 4位 5位
乳幼児期 育児保育 健康発育 しつけ 知能言葉 性格行動・人間関係 159 31.0
小学生期 性格行動 いじめ 学業成績 不登校 対人交遊 115 22.5
中学生期 性の問題 学業成績 いじめ 不登校 性格行動 85 16.6
高校生期 いじめ 性の問題 不登校 家庭の人間関係 対人交遊 72 14.1
その他 家庭の人間関係 性の問題 性格行動 家庭全般 対人交遊 81 15.8
合計 いじめ 性の問題 育児保育 健康発育 家庭の人間関係 512 100
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