教育福島0194号(1996年(H08)04月)-024page

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二つ目は、伝統芸能「ひょっとこ踊り」です。本校学区内にある「高柴デコ屋敷」は、有名なのでご存じの方も多いと思いますが、とてもユーモラスで、見る人々に腹の底から笑いを誘う踊りです。本校では、児童によるこの「ひょっとこ踊り」を運動会で地域の人たちに披露するなど教育活動に取り入れてきました。そこには、「人前に出ても臆さないような子供に育てたい」という思いや願いがあるのです。

昨年は、ふくしま国体の年で、本校の「ひょっとこ踊り」を、夏季大会ボウリング競技開始式の公開演技として、全国の皆様方に見ていただく機会がありました。演技が終わったときの観衆の方々からの拍手や声援を受けた子供たちの顔には、一つのことをやり遂げた満足感があふれ、人前に立つことの恥ずかしさなどは微塵も見られませんでした。帰るときには、「またやりたい」「もっと踊りたかった」という言葉も聞かれました。

共同研究にしても、ひょっとこ踊りにしてもそうですが、目の前の子供たちの実態から出発したり、地域のよさをうまく教育活動に取り入れることで、子供たちが着実に伸びていくことを実感したのです。

(郡山市立高野小学校教諭)

 

わたしのアフリカ紀行

新開敦子

 

休みに、私は二十六日間という長い日程でケニアとタンザニアを旅行しました。

 

友人二人の計画していたアフリカ旅行に便乗し、昨年の夏休みに、私は二十六日間という長い日程でケニアとタンザニアを旅行しました。

この旅行の目玉はアフリ力の野生動物に間近に接しながらキャンプする「サファリ・ツァー」というものでした。

各国から現地ケニアのナイロビ集合ということでこのツァーが始まりました。わたしたちは、言葉や食事や病気に対する不安を抱きながらも未知の世界アフリカへの期待に胸を膨らませながら、長いキャンプ生活をスタートさせました。

ワゴン車に分乗し、早朝から日が暮れるまで、見渡す限りのサバンナを駆け巡りアフリカの自然の醍醐味を十分味わうことができました。

特に、目前で見る野生の動物たちの目は、本当に穏やかで優しく、それでいてたくましさも感じられました。その動物たちの目の中に生命を支えている大草原サバンナに代表される自然の偉大さを改めて実感することができました。

さらに、アフリカの代表的民族に接したいという願いもかなえられました。

わたしが考えていたマサイ族とうのはトレードマークの赤い布を身にまとい、手には槍をもち美しいビーズの首飾りやイヤリングで着飾っている姿でした。このように、まだ昔の生活様式をかたくなに守りとおしているマサイ族に会うことができましたが、観光客と写真を撮ったり、ビーズのアクセサリーを売ることによってお金を手にいれ、生活様式をいくつか変えているマサイ族の姿にも接しました。

豊かな自然と共存していたマサイ族も近年観光客が訪れるようになり大きく変わりつつあることを感じ、複雑な思いがしました。

わたしは、この旅行の中で野生動物やマサイ族の姿を通して、豊かな自然との共生のすばらしさに気づくとともにそれらを守り通していくことの大切さを改めて実感しました。

今、わたしは小白井といういわき市でも自然に恵まれた地域で教壇に立っていますが、目の前の自然のすばらしさにここの生徒たちはあまりにも身近すぎることから関心を示さないことがあります。

アフリカの自然を守るためにも、“Think Globally Act Locally”精神で、人間は自然と互いに助け合いながら生きていくことを生徒たちと共に考え、自然に感動する心を育てていきたいと思います。

(いわき市立小白井中学校教諭)

 

「グッモーニング」

秦公男

 

「お父さん、頭はヘッドっていうんだよ」

 

「お父さん、頭はヘッドっていうんだよ」

突然、四歳になる二男が、話しかけてきた。

「すごいね。それじゃ、目は」

 

 

 


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