教育福島0194号(1996年(H08)04月)-046page

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ふるさと探訪

県指定重要文化財(建造物)

旧広瀬座一棟

もと梁川町北本町にありましたが、平成二年広瀬川の河岸改修に伴い、解体除去されるにあたり、福島市が譲り受けて、同六年に組立保存を図ったものです。棟札には明治二〇年三月上棟とありますので、竣工はおそらく同年中であったと推定されます。
江戸後期から明治年間にかけて梁川町とその周辺は養蚕によって栄え、福島・川俣などと並ぶ商業中心地の一つで、その経済的繁栄とともに種々の建物が建設されましたが、やがて芝居興業の常設小屋の必要も感じ、地元の有力者連署による福島県への再三の請願により建設を認められたものです。

大正年間には芝居や浪花節興業などから活動上映が多くなり、昭和二四年にはいす席などの大規模な模様替えをするなど、映画館として改造されながら使用されてきました。

今回の移築保存にあたっては、二、三カ所の構造上の補強を除けば、すべて竣工当時のままに復元してあります。全国的にみてこの種の遺構は金毘羅座(天保年間-香川県)・呉服座明治九年-現愛知県・明治村)に次ぐもので、歴史的に貴重であるとして平成八年三月二二日付けで県指定重要文化財として指定されました。

所在地 福島市土名倉字大石前二一番地の三 福島市民家園

所在地 福島市土名倉字大石前二一番地の三 福島市民家園

所有者 福島市

県指定重要文化財(建造物)

旧亀岡家住宅 一棟

もと桑折町伊達崎に建っていましたが、昭和五九年にその土地の売却と建物解体を機に、保原町が部材の寄贈を受け、平成六年に組立保存を図ったものです。

建立年代については、棟札で特定できませんでしたが、建設に係る支出書類などで、明治一七年から同三七年に及んでいますので、この間に主屋をはじめとする周辺建物の整備が行われたものと推測されます。

座敷棟と居住棟の二棟からなり、座敷棟は寄棟造りの総二階で、正面中央にポーチをもった玄関。その上方には八角形の塔屋を配しています。

棟の両端には頂塔、外観の木部はペイント塗装、内玄関にはアーチを飾り、窓は上下階ともガラス戸を用いるなど、洋風手法の濃いものとなっています。ただ、上下階十二室すべては畳敷となっています。

居住棟は寄棟造りの平屋建てで、床の間や欄間には彫刻が入念になされており、ここでも建具にはガラスを使用しています。

旧伊達崎村の江戸期以来の豪農で蚕種製造業で財を成した亀岡家一当時の主人は正元)が主屋改築に際して建てたものですが、明治半ばであることを反映して、各部への木造洋風装飾の工夫と和風の合理的な使い分けなど、当時の洋風住宅として見事な遺構であるとして、平成八年三月二二日付けで県指定重要文化財として指定されました。

所在地 伊達郡保原町大字大泉字宮脇 保原総合公園

所在地 伊達郡保原町大字大泉字宮脇 保原総合公園

所有者 保原町


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