教育福島0195号(1996年(H08)06月)-007page
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利」にこだわり続けてまいりました。いじめや学校事故でお子さんを亡くされた母親、学校事故後の後遺症に悩むお母さん方、不登校に苦悩した親子や子供たちの話を何度も聞きました。皆さんの証言から共通して感じたことは、現実を直視しようとはせずに責任転稼や保身に終始し、その問題から逃避しようとしている大人たちの姿でした。硬直化した教育現場の状況に私は愕然としてしまいました。その最中、愛知県でいじめによる自殺が起きました。この状況に、何としてもいまできることを……その思いをクリスマスカードに記しました。しかし、その後も同様の事件が後を断ちません。その一年間の、いじめが原因と推察される自殺は一九九六年一月までに十四件。いじめの件数も九一年の二万一、五九八件から九五年は五万六、六〇一件に増加しています。
いじめは大人社会の反映、物質的豊かさに走ったツケ等の精神論ほどこでも盛んになりました。しかし、いじめの病理を探り、社会や学校を変えていく現実的なプログラムが実行されることが肝要なのです。
政務次官の任期中の反省と教訓を生かし、一人一人の子供たちの立場に立って常に現在の実態と原因の把握に努め、のびのびと創造力豊かな青少年の育成を目指し、真剣に取り組んでいきたいと思います。いじめや体罰により、生命を失い、あるいは傷ついた人の心身の痛みや悲しさを忘れる事なく、あらゆる暴力を許さないという社会をつくるため、共に力を合わせて頑張っていきましょう。
【著者紹介】
岡崎トミ子・おかざきとみこ
〔略歴〕一九四四年 福島県福島市生まれ
一九六三年 福島県立福島女子高等学校卒業
ラジオ福島アナウンサーを経て東北放送勤務
一九九〇年 衆議院議員当選
環境委員会・物価等に関する特別委員会所属
一九九三年 衆議院議員再選
一九九四年 文部政務次官
一九九五年 環境委員会・労働委員会・消費者問題に関する特別委員会所属
☆何事にも誠実で、ファイトであたるのがモットー。
好きな言葉は「初心忘るべからず」。好きな本は宮沢賢治の「雨ニモマケズ」。
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