教育福島0195号(1996年(H08)06月)-010page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

なしには、教育効果は望めない。各学校では、校長・教頭そして、生徒指導主事を中心に家庭や地域社会との連携をどう図っていくべきか検討していく必要がある。もちろんそこでは、校長のリーダーシップと地域社会への働き掛けが重要となってくる。

 

二 県教育委員会の生徒指導対策事業

 

県教育委員会としては、「第四次福島県長期総合教育計画」を策定し、「新世紀ふくしまを担う明るく個性豊かな人間の育成」を目標として、教育行政の推進に努めている。この目標の実現に向けて、「平成八年度重点施策」を設定し、今年度重点的に推進する施策及びその具体化の方向を示した。その重点施策は、四つの柱から成っている。

 

一 県民の多様な学習ニーズに応える生涯学習の推進

二 社会の変化に主体的に対応できる心豊かでたくましい児童生徒の育成

三 潤いと個性に満ちた文化の振興

四 ふくしま国体の成果を生かしたスポーツの振興

 

生徒指導に関しては、「生徒指導の充実」を取り上げ、特に「登校拒否などの学校不適応対策の推進」と「いじめ問題対応策の充実強化」の二点をあげている。これは、学校教育における「基礎学力の向上」と「いじめ並びに登校拒否問題」を、学校教育における最重要課題と受けとめているからである。

 

三 生徒指導の重点

 

県教育委員会の重点施策を受けて、義務教育課としては、今年度の生徒指導の重点を次のように設定し、生徒指導の充実に努めていく。

生徒指導の本来的な意義について再確認し、その機能を積極的に生かしながら児童生徒の一人一人の自己実現を図れるよう支援するとともに、児童生徒の問題行動などに適切に対処できるようにするために、次の点に努力する。

 

1 目標達成を目指した機能的な指導体制を確立する

(1) 目校の目指す児童生徒像や指導理念についての理解を図り、全教職員が一人一人の個性を生かしながら共通実践できるような組織に改善する。

自校の実態を的確に押さえ、生徒指導主事を中心に、共通実践指導事項などを確認するとともに実践の反省を加えながら、児童生徒の個性の伸張、望ましい発達を促す指導となるよう全校あげて取組むようにする。

(2) 生徒指導の課題を明確にし、生徒指導主事、教育相談担当者、学級担任、教科担任、養護教諭などの役割を明確にした協力体制を整える。

児童生徒一人一人についての生徒指導に関する情報を交換し合い、学年や学校をあげて、課題の解決、一人一人の問題の解消に向けて協力し合えるようにする。

 

2 課題解決を目指した具体的な指導計画に改善する

(1) 生徒指導上の課題解決の方策が、全教育活動において実際に機能するよう指導計画を体系的で具体的なものに改善する。

課題解決のために全教育活動で組むべきことや、各部門で取組むべきこと、日常指導で配慮すべきことなどを具体的に指導計画に盛り込み、反省評価しながらよりよい計画に改善していく。

(2) 各部門の計画作成に当たっては、児童生徒一人一人の個性や特性等が十分に生かされ、自己実現のために適切な指導・援助ができるよう配慮する。

生徒指導の本来的な意義をふまえ、児童生徒全員が自己実現に向かって生き生きと学校生活が送れるような適切な指導・援助となっているか絶えず反省しながら実践していけるような指導計画に改善する。

 

3 計画的・積極的な学業指導に努める

(1) 児童生徒が自らの学業生活の改善と向上とを図ることができるように、自ら学ぶという積極的、意欲的な学習態度、自己への信頼観、豊かな創造性などの育成に努める。

学業生活が、意欲的かつ自己信観につながるようなものとなっているか、反省を加えながら実践できよう配慮する。

(2) 学習方法や学習習慣の形成を指した指導に努め、主体的に学習に取組む態度を育てる。

学び方を身に着け、主体的学習に取組めるような学業指導となるように配慮する。

 

4 教育相談の充実と日常化に努める

(1) 教育相談に関する知識や技能を高め、気軽に相談できる環境を整え、児童生徒の求めに的確に対応できるようにする。

校内研修などをもとに教育相談技能の向上を図るとともに、児童生徒の実態に応じ、意図的にあるいは随時、児童生徒の求めに応じて相談できるよう配慮する。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。