教育福島0195号(1996年(H08)06月)-034page
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養護教育センター通信
養護教育における教材・教具の工夫と活用に関する研究(二年次)
−教材・教具の工夫と活用の実際−
前回(四、五月号)は、教材・教具の工夫と活用に関するアンケートを中心とした調査研究について報告しました。
調査研究の結果から教材・教具は、教育の目的を達成するために児童生徒個々の興味・関心及び実態に応じて作製し、活用されるべきものであると考えている教師が多いことが分りました。本号では、福島県立聾学校の協力を得て、実際にA君、B君の事例を通して行った研究の成果を報告します。
一 課題を即座に提示するためのA君の教材・教具
(1) 自作教材・教具の必要性
A君は、小学部の二年生(八歳)であり、聴力レベルが最重度の男子です。
音声言語、手話、指文字、身振り、文字等を使用することができますが生活の中で役立てる場合、使用場面が限られています。
教師が手先を動かすことが好きな点に着目し、トーキングエイドを使用したり、カードを使用したりして指導した結果、A君は、少しずつ語彙数も増え、物と絵カードのマッチングが正確にできるようになってきました。しかし、注意が散漫で持続性に欠けるため、学習が定着しにくい問題点が生じていました。
そこで、A君の学習意欲を喚起し、集中して取り組むことのできる教材・教具を作製し、活用すれば学習の定着を図ることができると考えました。
(2) 教材・教具作製の実際
A君は、CDプレーヤーにより音と物の名前のマッチングを行っていました。
しかし、CDプレーヤーには、いくつもの音が録音されており、便利な反面、再生するまでに時間がかかる、頭出しに何度もスイッチをおさなければならない等の欠点があります。そこで、CDプレーヤーの特性を生かしマッチング学習として活用できるようマイクロスイッチとプッシュスイッチ及びCDプレーヤーを組み合わせ、その欠点を補う教材・教具を作製しました。写真1は、A君のために作製した教材・教具です。
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写真1 A君の教材・教具「のこぎりプレーヤー」
装置側面のスライドスイッチをONにすると、絵カードの挿入を待つ状態になります。カードを上部より静かに入れます。カードには、切り込みがあり、切り込みの数をマイク
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