教育福島0196号(1996年(H08)07月)-036page
◇はじめに
今、各学校では、「新しい学力観に立った学習指導」と「基礎学力の向上」を目指し、「授業の改善・充実」に取り組んでいます。
その基盤として、教師の積極的な研修が欠かせないことは言うまでもありません。
そこで、ここでは、「授業改善の基盤となる校内研修」というテーマで、今求められている校内研修の在り方について探ってみたいと思います。
一 日々の授業が勝負
(1) よい授業の創造
教師にとって授業は命です。「教師は授業で勝負する」と言われるように、どの教師も、よい授業を展開したいと思っています。
ところで、よい授業とは、子供にとって楽しく、よく分かり、主体的に追究していくことのできる授業であることは周知のとおりですが、違った観点からこれを規定してみると、「子供の論理と教師の論理とをうまく結びつけた授業」といえます。子供の論理は、子供のもっている知識、経験、思考の筋道であり、教師の論理とは、教師が指導したいと意図しているねらいや内容です。
よい授業では、この子供の論理を大切にしつつ、教師の論理に志向し、うまく結びつけた授業が行われたときに成立するものと考えます。
(2) 研修の必要性
教師なら誰しも、よい授業をしたいと願っています。また、どの子もよい授業の展開を待ち望んでいます。
「新しい学力観」が叫ばれ、授業の質的改善が強く求められていますが、一方では「教室の入口止まりの新しい学力観」などと言う指摘も耳にすることがあります。
「教育は人なり」と言われ、誰もがそれを肯定しています。前述のような指摘に耳を傾け、学校中に新しい学力観を拡げていくためにも、私たち教師の研修は重要な意味をもちます。
二 校内研修で高めたい教師の資質
校内研修は、各学校が当面している教育的課題に即してテーマや内容が決定されますが、その研修の過程を通して、教育課題の解決はもちろん、次のような教師の資質も高めていくことが大切です。
(1) 豊かな人間性
教育は、生きる人間を育てる営みであり教師と子供との人間的触れ合いや心の交流を通して行われるものです。校内研修を通じて、自