教育福島0196号(1996年(H08)07月)-037page
らの人間性を磨けるよう努力したいものです。
(2) 高度な専門性
校内研修を通して、学問的理論に裏付けられた体系的な専門的知識や技術を身につけ、子供一人一人の学習を成立させるとともに、自らの手で自分を変革させていくことのできる子供を育てるための事門性を身に付けていきたいものです。
(3) 教育的課題への対応性
校内研修を通して、教育改革の基本理念やねらいの実現のため、確かな教育実践の積み上げを行い、学校教育を変えるよう努力したいものです。
三 研修の活性化に向けて
各学校では、いろいろと工夫した校内研修の取り組みをしています。多人数による校内研修は、ややもすると形式化、マンネリ化しやすいと言われています。
(1) 校内研修の基本に据えたいこと
校内研修が、その機能を十分に発揮し大きな成果をあげるためには、研修のねらい、内容、方法の統一を図り、全体計画に基づいて発展的に研修を積み上げていくことが大切です。特に、次の三点は、研究推進の基本にあるべきこととして実現に努めることが大切です。
1) 子供のための研修
研修は、日々の授業に生きていくもの、つまり、子供のためにあることを常に意識し研修内容の一つ一つが子供にとってどんな意味を持っているかを考えながら研修を進めるとともに、その成果を毎日の教育活動に生かし実践していくことが必要です。
2) 一人一人の教師の研修意欲
研修の主体者である教師一人一人に研修意欲があってこそ研修は活性化し、その成果が期待できます。したがって、研修の必要性やねらいを全ての教師に浸透させ、切実性のある内容を取り上げ、研修意欲を高めていくことが大切です。
3) 学校の組織的な教育力を育める
学校は組織体です。全ての教師が協力し合い実践してこそ、学校としての教育機能を発揮します。研修は、教師一人一人の資質を高めるとともに、教師の連帯を強め、学校としての組織的な教育力を高めるものでなければなりません。
(2) 活性化を図る視点
校内研修を活性化していくための視点として、次のようなことがあげられます。自校の研修を振り返り、校内研修の改善に役立てて欲しいと思います。
1) 質的変換を図る視点
ア 職務を通じての研修、すなわち研修即実践の視点が大切であること。
イ 研修の姿勢として、広く外の世界に学ぶこと。
ウ 研修の視点を明確にして、研究的な方法や態度を大切にすること。
2) 質的変換の具体的手立て
ア 学校の実態に応じて無理がなく実施可能なゆとりある計画を立てること。
イ 校内研修を進める過程の中で、個人研究やグループ研究の場を設定し、その成果を広く取り入れて教師の意欲を喚起すること。
ウ 全ての教師が参加して機能的に活動できる組織づくりを図ること。
エ 情報管理を適切に進めること。
オ 校内組織・研究組織間の連絡調整が的確に、かつ迅速に図られること。
◇おわりに
教師の研修は、自己成長を期する一生続く仕事です。それゆえに、授業者の心に支えられた研修こそが、授業を改善・充実する力であるといえます。日々の研修の積み重ねが、充実した授業を創造し、子供の学力の向上につながるものと確信します。