教育福島0197号(1996年(H08)09月)-008page

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特集1

 

進路指導の充実

−生徒一人一人の個性を生かす進路指導の推進−

 

義務教育課

 

1) 進路指導の課題

 

1 進路指導のあるべき姿

 

進路指導は、小学校段階から、学校の教育活動全体を通して計画的・組織的に行われるべき教育活動である。特に、中学校では、生徒一人一人が自らの生き方を考え、将来に対する目的意識を持ち、自分の意思と責任で自分の進路を意思決定し、生涯にわたって自己実現を図っていける能力や態度を育成することが重要である。

そこで、進路指導に当たっては、進路指導の基本的な性格を踏まえ、一人一人の生徒が自己の特性についての理解を深め、将来進むべき学校や職業に関する情報を自ら収集、活用し、進路に関する相談の機会を通じ、進路の選択決定ができるよう指導・援助することが大切である。

〈進路指導の基本的な性格〉

ア 生徒自らの生き方についての指導・助言である。

イ 一人一人の生徒の資質や可能性を最大限に伸長する教育活動である。

ウ 学級活動を中核としつつ教育活動全体を通じて行うべきものであり、計画的、組織的、継続的に行われる教育活動である。

エ 選択教科等の適切な選択や体験的な活動を通じて自らの個性を発見し、目的意識を持って、主体的に自己実現を図っていく態度を育てる教育活動である。

オ 家庭、地域社会、関係機関との連携、協力が特に必要とされる教育活動である。

 

2 進路指導推進上の問題点

 

平成五年二月の文部事務次官通知により、学校が業者テストを廃止して四年目を迎えた。

当初、県内の各中学校では、高校入試に関する資料不足による不安や動揺が見られたものの、自校の進路指導を見直し、工夫・改善を加えて実践を積むことにより、現在は、学校教育活動全体を通して行われる進路指導の在り方を考え、生き方指導を中心とし、生徒一人一人が主体的に進路を選択する本来の進路指導へと転換が図られ、進路指導に対する自信を回復してきている。

一方このような進路指導の改善の中にあって、今後引き続き解決していかなければならない課題もある。

 

グラフ 高校中退者にみる中学校の進路指導への要望

(複数回答)

 

応対策調査研究協力者会議報告「高等学校中途退学問題について」平成4年12月)

 

(文部省・学校不適応対策調査研究協力者会議報告「高等学校中途退学問題について」平成4年12月)

 

 

 


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