教育福島0197号(1996年(H08)09月)-010page
実現に向けて努力する過程を指導・援助する。
エ 生徒自身の意思決定による進路決定への指導
生徒が、進学志望校の選択を含め、将来の生き方を自己の意思で選択し、自分自身で責任を負うことができるよう指導・援助する。
2) 進路指導の推進
指導を充実するためには、各学校が自校の進路指導計画、それに基づく指導の展開及び指導体制など、これまでの進路指導の在り方を見直し、進路指導の基本に立ち返ることが大切である。
1 進路指導の計画
進路指導は、三年間を見通して学校の教育活動全体を通じて行うものであり、補充・深化のため、学級活動の中に適切に指導計画を位置付ける必要がある。
そこで、三年間を見通した計画的、組織的、継続的な進路指導が行えるよう次の点に配慮し、指導計画を作成する必要がある。
〈進路指導計画作成の方針〉
ア 進路指導が人間としての「在り方」、「生き方」を考え、将来の社会生活、職業生活の中で自己実現が図られるよう、啓発的な体験等を通して、しっかりした人生観・職業観を育てる指導に努めること。
イ 一人一人の生徒の能力、適性、興味、欲求、性格等の総合的な理解に努め、それぞれの潜在的な資質や可能性を最大限に伸長するための進路相談を進めること。
ウ 各学年における進路指導の発展性、系統性を明らかにしてそれぞれの学年の指導を充実すること。
各学年における指導の目標は次のとおりである。
1) 第一学年では、進路についての関心を深めるとともに、自己をよく理解し、進路についての学習を計画しようとする態度を養う。
2) 第二学年では、進学したい学校や職業などに関する進路情報を理解させ、自己の計画を吟味して実現しようとする態度を養う。
3) 第三学年では、自分にふさわしい進路を自ら選択し、具体的に決定することが中心となるが、その過程で、必要な知識や情報を与えながら適切に指導・援助する。
また、この時期は進路をめぐり、さまざまな情報が氾濫しがちなので、各生徒の実態に即した指導を進めることが大切である。
さらに、進路指導の目標を達成するため、以下の点に留意して実践可能な指導内容を明らかにすることが大切である。
〈指導内容を明確にする手順〉
ア 学習指導要領の内容を踏まえること。
○学級活動における指導
○学校行事(特に勤労生産・奉仕的行事)における指導
○進路指導を通じての指導
イ 平成五年五月の「中学校の進路指導の現状の問題点と改善の視点」にある「指導改善の基本的な視点」に即して指導内容の改善を図ること。
○「学校選択の指導から生き方の指導への転換」を図るための指導
○「進学可能な学校の選択」に基づいて、「日頃の学習の成果等」に基づく助言により、「生徒が選択決定する」指導への転換を図る指導
「生徒が選択決定する」指導を図る指導内容
(文部省・中学校進路指導資料第2分冊より抜粋)