教育福島0197号(1996年(H08)09月)-011page
学級活動における進路指導の題材系統図・例
(文部省・中学校進路指導資料第2分冊より抜粋)
2 指導体制の確立
生徒の発達段階に応じた進路指導を効果的に進めるために学級担任や進路指導主事等の役割内容を明確にし、指導体制を整えることが大切である。
(1) 進路指導主事の機能を重視する
各学校が、全教師の理解と協力の下に、計画を立て、入学時から三学年時まで継続的に進路指導を進めるに当たり、進路指導主事はその専門的な知識・技術を持って、計画の立案及び実践の中心になり、進路指導改善の先頭に立つことが強く期待されている。
進路指導主事がこのような期待に応え、その職務を果たすためには、学級担任やその他の校務分掌を兼務しない専任の進路指導主事が望まれるが、専任化できない場合であっても、進路指導主事が経験を積みながら、専門的な力量が高められるよう配慮されなければならない。
(2) 進路指導推進の組織を確立する
本来の進路指導推進のためには、進路指導主事の専任化に加え、進路指導委員会などを設置し、校務分掌組織を整備、確立することが必要である。
このことにより、進路指導主事を中心にした分掌組織内の役割分担が明確にされ、活動の円滑な展開が可能になり、活動相互の連携が図られ、指導の効果が一層高められることになる。
3 進路に関する啓発的な経験
(1) 啓発的な経験の性格
進路指導において啓発的な経験とは、本来、「体験」に限らない「諸経験」である。
意義のある啓発的経験とは、必ずしも特別な経験ではないが、それが進路に関わる経験として意識されることがなければ、進路指導上の啓発的な経験とはならない。有効な経験とするためには、職業や勤労に関する経験が得られるよう指導することが大切になってくる。すなわち、進路指導においては、進路に関する啓発的な経験を職業や勤労に関する体験として得させることが重要である。
(2) 啓発的な経験を生かす進路指導
中学校学習指導要領では、「職業や進路にかかわる啓発的な体験が得られるような活動を行うこと」と示されているが、進路に関わる啓発的体験の活動としては、次のようなことが考えられる。
1) 上級学校への進学に対する体験
○上級学校の訪問、見学
○上級学校への一日体験入学
2) 職業や勤労に関する体験
○身近な職業調べ
○企業・工場見学
○職場体験学習
○勤労・奉仕体験学習