教育福島0197号(1996年(H08)09月)-012page

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啓発的経験の指導例

2学年 実施 9月

 

1. 題材名「職場体験から得たもの1)」

2. 指導のねらい

いろいろな職場での勤労体験をまとめ、発表できるようにする作業の過程を通して、各自が体験したことがらを振り返らせ、客観視できるようにさせる。

3. 指導のながれ

(1) 事前指導・準備

職場体験で学んだことや感想などを体験文集「青雲の志」としてまとめさせる。

発表がやり易いように、体験先ごとにグループ分けをしておく。

(2) 本時の展開

 

(3) 事後指導

(3) 事後指導

時間内にまとめることのできなかったグループは、放課後等の時間を利用して、次時までにまとめさせる。

(文部省・中学校進路指導資料第2分冊より抜粋)

 

(3) 啓発的体験を生かす進路指導

各学校が、進路に関わる啓発的体験の活動を実施する上で大切な点は、それを学級活動における進路指導に生かすということである。生徒一人一人の体験を、学級の生徒全員の体験として共有することができるよう指導することが大切である。

 

4 進路相談

 

中学校の進路相談は、最終的に志望校を選択する際などに、生徒との面談、あるいはこれに保護者を加えた三者面談などとして多く実施されているが、必ずしも十分に行われているとは言い難い。主体的な進路選択の能力・態度の育成を重視する進路指導においては、生徒一人一人が抱いている自分なりの悩みや課題を自分の力で、自分なりに解決していくことを援助していくことが大切である。そのために進路相談が果たす役割は重要である。

進路相談は、すべての教師の理解の下、全校的な体制を確立して推進することが大切である。中でも、生徒を最も理解している学級担任の教師を中心に進められることとなる。また、進路指導主事は、進路相談がその計画に基づいて円滑かつ効果的に実施されるよう配慮したり、教師の求めに応じて相談の内容、技術等についての専門的な助言を与えたりするなど、進路相談推進のバックボーン的な役割を担うことが期待される。

 

5 保護者、地域社会との連携

 

生徒がどのような生き方を選択するかは、かなりの部分について保護者、地域社会の考え方に影響されるが、現在生徒を取り巻く地域社会や家庭では、学歴や職業に対する偏った認識があることは否めない。このような環境の下に生活している生徒に対し、「生き方の指導」を行うべき進路指導を推進するに当たっては、学校の進路指導のみではその所期の目的が十分達成できないのが現状であり、保護者、地域、学校の連携の下、生徒が将来の職業や生き方についての選択可能性に対する正しい認識を育成することが大切である。

そのためには、各学校では保護者、地域に対して、正しい職業観、将来の姿についての啓発を図るとともに、保護者、地域、学校の三者が共通の認識を持って進路指導に当たれるよう十分に配慮する必要がある。

たとえば、親子での職場訪問、ボランティア活動、親子討論会などを通じて生徒、保護者がともに職業、進路に対する適正な認識を持つことが大切である。また、PTA組織の中に進路指導委員会を設置したり、PTA活動計画の中に位置づけて学校と連携を深めるとともに活動し、進路指導の理解を深めることが効果的である。

保護者と教師、生徒が情報を共有し、親子間で、また、保護者と教師、教師と生徒間でともに進路について考えていくことが大切である。

 

 

 


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