教育福島0197号(1996年(H08)09月)-030page

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教育ひとロメモ

 

障害者の日

 

■「障害者の日」とは

 

■「障害者の日」とは

国連は、一九八一年の国際障害者年を記念し、長期間にわたって障害者問題についての認識を深め、その解決の方向等を考えるために、各国において「障害者の日」を制定するように進めています。

日本では、国連のこの決議の主旨に沿って、一九八一年十二月九日、国際障害者年中央記念集会において、国際障害者年の決議の基本である「障害者の権利宣言」の日(十二月九日)が最も適当な日であるとして、この日を「障害者の日」とすることを宣言しました。

その後、毎年十二月九日には、全国各地でさまざまな行事が開催され、障害者の表彰やキャンペーン活動が行われてきました。

そして、一九九三年十二月三日には、二十三年ぶりに「心身障害者対策基本法」が全面改正され、「障害者基本法」として公布されましたが、この中で、十二月九日を「障害者の日」にすることが法律として位置づけられました。

福島県でも、十二月三日から九日までを障害者週間とし、障害のある人とない人との相互理解の促進を図るために、今年度は、郡山市でふれあいのつどいを開催します。また、心のふれあいをテーマとした「心の輪を広げる体験作文」「障害者の日のポスター」も広く募集しています。

 

■障害も「個性」として

 

■障害も「個性」として

障害者というと、何か特別な人のように考える人がいますが、そうではありません。

足の不自由な子は、走るのが得意でない子が多いかもしれません。知的発達に遅れのある子は、数の計算が不得意かもしれません。しかし、障害のない子でも、走るのが遅い子や、計算が苦手な子もいます。

人は皆一人一人違う個性や特徴を持っています。障害というのもそんな個性の一つと考えてみてください。

 

■地域の中でくらす

昔は障害者は施設の中でくらすのが当然だと思われていました。

しかし、今は違います。たとえ障害が重くても、町の中で障害のない人と一緒にくらしたいと思っています。そして、それがあたりまえになってきました。

 

【ノーマライゼーションの理念】

障害者を特別視するのでなく、一般社会の中で普通の生活が送れるような条件を整えるべきであり、ともに生きる社会こそノーマルであるという考え。

 

■ともに生きるまちづくり

今日本の各地で「車いすで歩ける町づくり」や「福祉の町づくり」が進められています。

本県でも、平成七年に「人にやさしいまちづくり条例」が公布され、障害者の「完全参加と平等」の実現、「ともに生きる福祉社会」の形成に向けての施策を展開しています。

車いすのために歩道の段差をなくしてスロープにしたり、視覚障害者のために誘導・警告ブロックを敷いたりしてあるのを見た方は多いでしょう。

しかしまだ、電車やバスに車いすで乗れるまでにはなっていません。障害者が住める住宅も不足しています。そのため障害者が社会参加したくても、なかなかできないのが実状です。このことが障害者にとって大きな壁になっています。こうした壁を一日も早く取りはらうことが、これからの課題です。

 

【バリアフリー】

障害者の社会参加を困難にしている物理的な障壁、制度的な障壁、文化・情報面の障壁、意識上の障壁の除去という意味で用いられている。

 

 

 


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