教育福島0197号(1996年(H08)09月)-050page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

教育福島0197号(1996年(H08)09月)-050page


博物館ノート実技講座

志野焼を作ろう

志野焼は桃山時代に美濃窯(岐阜県)で焼かれていた陶器です。長石紬を用いた乳白色の柚肌は、厚く深みのある白で、あたたかくやわらかな印象を与えます。鉄絵具という鉄分の多い顔料で下絵を描いた絵志野が、志野焼の最もポピュラーなものです。志野の持つあたたかな肌触りやひずみの妙味、おおらかで明朗な意匠は桃山時代の茶人に愛好され、茶碗や香合の優品が今に伝えられています。

県立博物館では、実技講座「志野焼を作ろう」を行っています。この講座は第一回成形を、第二回で絵付けと紬がけを行います。

第一回の七月二十八日には、講師に会津本郷町「富三窯」の佐竹伸也氏をお迎えして、成形を行いました。夏休みということもあって親子での参加も何組かみられ、年齢・男女を問わず三十人の方に参加していただきました。始めに講師によってお手本が示されると、皆さん真剣な表情で見つめ、熱心に質問をしている方もいました。実際に粘土に触れてみると、なかなか自分の思い描いていたようにはいかず悪戦苦闘する姿も見受けられましたが、講師のアドバイスを受けるなどして、最後には満足のいく作品ができあがったようです。

八月十八日には第二回の「絵付け」と「柚がけ」を行います。そして、これらの作品は富三窯で焼成されて十月頃に完成します。さて、参加者の皆さんがそれぞれの個性で形作り、自由に模様を描いた志野焼は、どのようにできあがるのでしょうか。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。