教育福島0198号(1996年(H08)10月)-016page

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見の高い講師陣や変化に富んだ研修の内容・方法により、学習意欲が喚起され、主体的な活動のもとに専門性が体系的に身に付いたとの感想が、たくさん寄せられました。

今後、講座修了者一人一人の自主的・創造的で、しかも熱意ある地域活動が大いに期待されます。

また、県内各地の家庭教育ネットワーカーへの希望者あるいは専門的学習に対するニーズを持っている人たちに、学習しやすい条件に配慮しながら学習内容・方法の一層の充実を図り、学習の機会を提供したいと考えています。

 

子育てセミナー

 

子育て中の親に対して、今日の子育てをめぐる諸問題の解決を援助するため、学習の機会を提供するとともに、併せて個人及びグループによる教育相談を行い、家庭と地域の教育力の向上に努めることを目的として開催しています。

今年度は、飯野町・西郷村・喜多方市・いわき市の四会場で催し、テーマ『大事な子供を大事に育てるとは〜少子化社会の家庭や地域における子育てを考える』に基づいた基調講演を聴き、分科会では『「三つ子の魂」形成へのアプローチ〜這えば立て、立てば歩めの親心とは』と『「苦悩する子供」援助へのアプローチ〜余所に見てはいられない大人の責任・役割とは』のテーマによる協議によって、子育てをめぐる諸問題解決の緒を探りました。

各会場とも、他管内遠方からの熱心な参加をも得て、地域において子育てまっ只中のお母さん、また子育てのベテランお母さん、子育てに前向きなお父さんなどにより、三百人規模のセミナーを開催することができました。

今年度から、地域の施設や関係国体などからのボランティアの協力による乳幼児の一時預かり所を設けたこともあり、若いお母さんの参加も目立ちました。

 

子育てセミナー開催一覧

あてられ、子供の自立を促す家庭や地域の望ましい在り方が話し合われました。

 

参加者には、医学・心理学・教育学などの専門の講師による問題提起や助言・指導のもと、分科会を通して、「掛けがえのない絶対的存在である子供の健やかな成長と自立をいかに援助するか」という課題意識を基底に、変化する家庭や地域の環境を踏まえ、発達段階に即した子供の自立を援助する望ましいあり方や「いじめ」「不登校」などに現れる子供の心の問題を見つめ、家庭や地域での取組みについて真剣に協議が進められました。特に「いじめ」「不登校」に関しては、切実な事例が出され、子供は多くのストレスを受けながら生きていること、そのストレスは大人がつくり出したものであることなど、子供の姿と親の態度や社会環境に視点があてられ、子供の自立を促す家庭や地域の望ましい在り方が話し合われました。

 

分科会での問題提起

分科会での問題提起

「這えば立て、立てば歩めの親心とは」

 

また、希望者に対しては、子育てや家庭教育に関する教育相談も行いました。

専門家の話が聴けたこと、同じような立場や異なる立場の参加者と一つのテーマで話し合えたこと自体に大きな意義を見出している参加者の感想を聞きながら、多くの参加を得たことに加え、その熱心な聴講や協議・相談の内容を捉えると、改めて参加者それぞれの持つ課題意識の高さとともに、参加者の課題解決への切実な願望が伺えます。

今後も学習者の視点に立った学習機会の充実・提供に努めたいと考えています。

 

分科会での協議

分科会での協議

「苦悩する子供への大人の責任・役割とは」

 

家庭教育充実事業は、この他にも育児資料『すくすく通信』(一歳児用)発行、電話相談「すくすくダイヤル」の開設(毎週月〜金曜日、九:二十〜十四:○○)、テレビ番組『小さな世界』の制作・放映(十〜二月毎週土曜日七:四十五〜八:○○・FTV)などを行っています。

 

 

 


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