教育福島0198号(1996年(H08)10月)-020page

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高校教育改革の推進

 

県教育委員会は、生徒一人一人の学習意欲を高め、生徒が生き生きと学校生活を送り、生徒の個性が最大限発揮される教育の実現に向けて、高校教育改革を推進しているところです。そのひとつが「特色ある学校づくり」で、次のような取り組みをしています。

 

・総合学科高校の新設

総合学科は、数多くの普通科目と専門科目から成る選択科目群の中から一人一人の興味.関心、進路に応じ、勉強したい科目を選択し、自分だけの時間割で学習します。高校の学習過程の中で、自分の進路を決定することができる総合学科は、進学にも就職にも対応できる新しい学科といえます。

本県初の総合学科は、平成八年度に矢吹高校を改組して新設した光南高校に設置しました。九年度には安達東高校と双葉農業高校(双葉翔陽高校に校名変更)の二校に総合学科を設置する計画です。

・全日制単位制高校の新設

全日制の課程における単位制は、平成五年度からその設置が可能になり、本県においては、同年、全国初の全日制単位制高校いわき光洋高校を新設しました。特色ある演習科目や総合科目を数多く設定し、大幅な選択制を導入しました。総合学科が普通科目、専門科目の両方を設置しているのに対し、全日制単位制高校は普通系の科目で構成されているのが特徴です。

 

年定時制の安積第二高校を校名変更し単位制による全日制課程を開設しました。

 

本県の二番目の全日制単位制は、あさか開成高校で平成八年定時制の安積第二高校を校名変更し単位制による全日制課程を開設しました。

・新しい学科の設置

情報化、国際化などの社会の変化や、生徒の進路希望などに配慮し、ラにれまで、体育科、国際観光科、環境システム科、国際経済科、マネジメント会計科、経営情報科、オフィス情報科、ビジネス会計科、数理科学科、デザイン科学科、海洋科、流通経済科、海洋工学科、食品システム科、国際科学科などの特色ある、魅力ある学科の設置に努めてきました。

平成九年度は、福島農蚕高校(福島明成高校に校名変更)に生物生産科、生物工学科、環境土木科、食品科学科、生産情報科を、平商業高校に国際経済科、情報システム科、流通ビジネス科、OA会計科を新設します。

・男女共学化の推進

本県においては平成五年度まで、男子のみの学校が八校、女子のみの学校が一二校存在していました。同年六月、「学校教育の基本的な在り方として、…逐次共学化を進めていく必要がある」という県学校教育審議会の答申を受け、これまで宮岡、福島商業、福島西女子(福島西)、福島東、須賀川主日通科、須賀川女子(須賀川桐陽)、郡山・英語科の七つの高校の共学化を実施してきました。平成九年度は、白河と白河女子(白河旭高校に校名変更)の共学を予定しています“

・四十人学級の推進

四十人学級の編制については、生徒減少期という実態と個に応じた多様な教育を実施する観点から平成五年度より推し進めてきました。「平成十年度を目安として四十人学級を実施する」という国の方針を踏まえ地区及び学科の実態を考慮しながら実施してきた状況は次のとおりで、

平成五年度入学生着手率 四・七%

平成六年度入学生着手率 四一・一%

平成七年度入学生着手率 五〇・四%

平成八年度入学生着手率 一〇〇%九年、十年と四十人学級を完全実施すれば平成十年度には全学年で四十人学級が完成します。

 

終わりに

平成八年度から高等学校教育課内に県立学校改革推進班を設置しました。ここでは、総合学科高校や全日制単位制高校などの特色ある新しいタイプの学校づくりや魅力ある学科の設置、また、男女共学化の推進など、引き続き、県学校教育審議会答申の具現化を図るとともに、生徒減少期における高等学校の適正規模、適正配置を含めた、今後の高等学校の在り方を組織的に検討しながら、高校教育改革をさらに推進していきます。

 

 

 


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