教育福島0198号(1996年(H08)10月)-034page
平成6、7年度福島県教育委員会指定
教育課程
研究主題
「生徒の能力を伸ばす、楽しい学棋づくりを目指して」
−学習の基礎・基本の定着を図り、学校生活を通じて生徒一人一人が、こころ豊かに、主体的に生活できるようにする指導の研究−
福島県立西会津高等学校
校内合唱コンクール
一、研究主題設定の理由
地域に根ざした高校として本校が地域に果す役割は大きい。五十年にわたる歴史の中でその役割を十分に果してきたが、時代の移り変わりの中で環境も変化し生徒よ多様化しつつある。
今後本校が地域の多様な要望や期待に応え、基幹校としての使命を果すためには、生徒の適性や能力はもとより、地域からの評価をも考慮し、進路希望実現に結びつく教育課程を編成・実施する必要がある。さらに現在学んでいる生徒に、またこれから学ぶであろう生徒に、より充実した高校生活を送らせるとともに、特に、個々の生徒がその個性を伸ばし、生き生きと主体的に生活ができるようになることが望まれる。これらのことから、標記の主題を設定した。
二、研究の体制
(1)研究推進委員会の設置
校長、教頭、各部・各教科の代表で構成。毎週水曜日四校時に定例委員会を持ち、基本方針の検討に当たるとともにその都度「研究推進だより」を全職員に配布し内容の徹底を図った。
(2)研究の柱の設置
1)教務を中心とする研究
2)生徒指導を中心とする研究
3)進路指導を中心とする研究
4)各教科による研究
三、研究方針
(1)地域に根ざした高等学校として本校の果たす役割を明確化する。
(2)地域社会からの外部評価を重視する。
(3)生徒減少期における過疎地の高等学校の活性化を図る。
(4)勤労や奉仕に関わる体験的な学習の指導を重視する。
(5)小規模校、普通科・商業化併設校の特色を生かす。
四、研究内容
(1)教務部を中心とする研究
テーマ「学習の基礎・基本の定着を図る体制づくりの工夫」
実践
1)実態と問題点の把握
・中学校三年までの基本的学習項目の復習を系統的に実施
・基礎確認テスト、課題テスト実施
2)教育課程の見直し
・普通科は生徒の多様性に対応できるよう二年次4単位、三年次8単位の選択科目を設ける。
選択(a)‥就職希望の生徒の商業に関する資格取得を可能にする。
選択(b)‥文系の大学、短大、専門学校を希望する生徒対象。
選択(c)‥理系の大学、短大・専門学校を希望する生徒対象。
・商業科は大学、短大、専門学校を希望する商業科生徒対象に三年次に三単位の選択科目を設ける。この選択科目については普通科、商業科の共通履修とすることにより、相互の乗り入れを可能にし、商業科における進学指導の強化を図る。
・月二回の学校週五日制に対しては週三十三単位とし、前期(四〜九月)には土曜日の一・二校時を、後期(十月〜二月)には土曜日の三・四校時を金曜日の五・六校時に実施。
・学校完全週五日制に向けた教育課程案の作成…週三十一単位とし、商業科の三年次に普通科との相互乗り入れを含め選択科目を七単位に設定したもの。
3)基礎学力向上のための学校全体としての取り組み(基礎力講座)全生徒を対象に、国語、数学の基礎学力の向上と定着を図るために、演習、確認小テスト、質問学習の時間を毎週火・木曜日の七校時に設定。
4)楽しい学校作りを目指すための生徒と教師の意思疎通を深める時間の設定(特別講座)教師の持ち味、趣味、特技などを通し授業では得られないものを教師、生徒ともに体験する。学期毎に実施したが好評であった。