教育福島0199号(1996年(H08)11月)-018page
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三 経済
「経済生活」は、これまでの「健康」「生きがい」と並ぶ生涯生活設計の三本柱の一つであり、日常生活を支える基盤となるべきものです。
在職中から退職後までを見通した「経済生活設計」を立案することは、生涯生活設計上の目標を具体的に実現させる重要なポイントとなります。
(一)経済生活設計の役割
日常生活は、その裏付けとなる経済的な支えがなければ停滞してしまいます。そういった事態にならないためにも確かな計画が必要です。ところが人生には、一時に多額の支出を要することが何度かあります。それに見合うだけの収入増があればよいのですが、思い通りに行かないことが多いものです。
それでは「毎月の収入から貯蓄に回せる金額はどのくらいか」「予想される支出額を用意するためには、どのくらいの期間が必要なのか」こういった点について、具体的に把握する必要があります。
「経済生活設計とでは、これからの生活を考えて、発生するであろうさまざまな支出事項を想定し、収入や貯蓄から勘案して、無理のない生活像を描き出します。人生を経済生活という視点から分析し、安心できる生活設計をするために、何をどのように見直せばよいのかを発見することにあります。
退職後の経済生活についても、在職中から考えておくことが大切です。その意味での「経済生活設計にの立案が、将来の生活に果す役割は非常に大きなものがあります。
(二)経済生活の出来ごとモデル
長い人生において、一般的に考えられる経済生活上の出来事には次のようなものがあります。
○夫婦…昇進、異動、転職、独立自営、退職、再就職、資格取得、ライフワーク計画、住居の取得、転居、増改築、健康維持計画、大型レジャー計画、耐久消費財購入計画、年金受給など
○子供…入学、卒業、就職、結婚、出産、家計の独立、親との別居、同居など
○その他…親の扶養などモデル世帯の生涯収支
モデル世帯の生涯収支
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(平成6年版経済企画庁「国民生活白書」より)
(三)経済生活設計の組立
A わが家の収支状況
現状を確認するため、最近一年間の収支状況を調べます。長期計画を立てるため、おおよその目安をつけるのに役立ちます。
B わが家の財産状況
現時点で、すぐに換金できる
財産がどれくらいあるかを調べます。長期計画の基本となる数字として、把握しておきたいものです。
C 経済生活に関する計画や出来事
AとBは現状の把握でしたが、次に将来にわたってお金の出入りが生じそうな計画や出来事を洗い出し、その金額を見積ります。
D 収支計画
AからCをもとに、毎年の収支の差額などを計算します。これにより、毎年の「貯蓄累計額」の推移を把握することになります。
四 生涯生活設計のまとめ
一般的に、「生涯生活設計」を立案する効果として、次の事項が考えられます。
○自分の進むべき道が明確になり、回り道や後戻りしなくてすむ。
○具体的な目標を立てることにより、積極的な意欲が持てる。
○自分自身を客観的に見直すことにより、長所や短所を発見し、自己啓発につながる。
「充実したゆとりある健やかな人生」を実現するため、教職員の皆さんも「生涯生活設計」づくりに挑戦してみてはいかがですか。
経済生活設計の組立
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