教育福島0199号(1996年(H08)11月)-034page
平成6・7年度県教育委員会指定研究
社会の一員として主体的に生きる態度を育成するためのす指導の在り方
ボランティア活動や各種行事への参加とおして、豊かな心や主体的に判断し行動できる態度を育て、学校生活を充実させるための実践研究
相馬農業高等学校
一、研究主題設定の理由
全般的な高校生の傾向として、教師の指示がないと行動できない生徒が増えています。しかし、生徒たちが迎える二十一世紀は、現代よりも更に激しい社会の変動が予想されることを考えると、生徒一人一人が様々な場面において「自主的に判断し、主体的に生きる能力と態度」を身につけることが必要であると考え、この主題を設定しました。
二、研究目標と指導領域
指導研究を進めるために、三つの領域を設定しました。その理由は次のとおりです。
1)ボランティア活動の一層の充実
従来から家庭クラブ・農業クラブを中心とした活動が行われてお
り、生徒が取り組みやすいこと。
2)郷土芸能伝承活動の推進
昭和初期より本校の伝統行事として受け継がれてきたものであり、地域と密着した生き方が大切であることを教えやすいこと。
3)国際理解活動の推進
同窓会によって活動資金が準備され、時代に即応した活動や研修ができるようになったこと。
三、研究組織
研究組織は右図のとおりです。生徒に対する具体的な指導は、三班からなる指導研究班が行いました。
四、研究実践の概要
各領域における指導実践の概要は次のとおりです。
1 ボランティア活動の推進
〔指導目標〕
1)ボランテイア活動に対する興味・関心を高め、自主的に参加しようとする意欲や態度を養う。
2)活動をとおして、他人に対するいたわりの心や、公共のために自ら進んで奉仕しようとする豊かな心と態度を養う。
〔研究および指導内容〕
1)本校で継続的に実践してきた家庭クラブ・農業クラブを中心としたボランティア活動の、より積極的な推進策の研究と指導
・原町市駅通,プランター花壇作り
・相双地区身障者運動会奉仕活動
・市内老人ホーム慰問活動
・市内通学路美化活動
通学路清掃奉仕活動
・ボランティア班研究会議など
2)生徒の意識高揚を図るための新たな活動の研究とその指導
・リーダーによるポスター掲示活動
・講演会「人に優しいまちづくり」
・機関紙配布等の広報活動など
2 郷土芸能伝承活動の推進
〔指導目標〕
1)郷土芸能という地域の文化を積極的に伝承しようとする意欲と態度を養う。
2)活動をとおして、地域社会に関心を深めさせるとともに、地域社会の構成員として主体的に生きようとする態度と能力を養う。
〔研究および指導内容〕
1)一年生に対して、芸能伝承の意義を理解させ、活動に意欲的に取り組ませるための指導法の研究と指導の実践
・各芸能部のビデオ視聴指導
・芸能部長(教師)の講話と芸能部門選択の指導など
2)芸能指導の在り方(師匠の問題、リーダー養成法等)の研究と指導
・師匠の世代交代の推進(若い師匠の確保)
・三年生を中心としたリーダー養成
・練習時間のまとめ取りの工夫など
3 国際理解活動の推進
〔指導目標〕
1)自国の文化や伝統に目を向けるとともに、広く世界各国の文化や歴史にも目を向け(国際理解に努