教育福島0199号(1996年(H08)11月)-037page

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や考え方に触れることができました。

(2)県中・郡山市民センターでの開催

(参加者三六九名)

県いじめ問題対策事業学校アドバイザー熊坂磐先生の「いじめ問題からみた家庭教育の在り方」についての講演があり、子供・家庭教育を見直すよい機会になりました。

研究協議は、領域ごとの分科会方式で、人間性豊かな子供の育成、家庭の教育力の向上、会員相互の資質の向上を図る研修活動、子供の健全育成のための地域活動、障害児への理解と思いやりの心の育成などのテーマに沿った集点化された協議を行いました。

また、体験学習の新しい試みとして、県聴覚障害者協会の先生方の手ほどきにより「手話」を学びました。

(3)県南・矢吹町中畑公民館での開催

(参加者二〇六名)

県立白河実業高等学校長大塚孝先生の講演により、生涯学習社会の時代性を踏まえた学校教育における今日的課題とPTA活動の役割についての認識を深めました。

四つのテーマによる分料会では、PTA専門委員会活動や子供の学校外活動の推進、子供の健全育成や進路指導の在り方などに関する研究協議を行い、社会の変化に対応した学校や地域における望ましいPTA活動の在り方について考え合いました。

(4)会津・会津坂下町中央公民館での開催(参加者四三二名)

前会津若松市立第一中学校長長嶺敏先生の「子供の学校外活動の充実とPTAの活動の在り方について」の講演により、新しいPTA活動を推進する上での要件を学びました。

高校も含めた四つの分科会では、専門委員会活動の推進、ボランテイア活動の普及、子供の健全育成などについての協議を行い、研究を深めました。

フイルムフォーラムやパヽネルディスカッションでは、「いじめを未然を防ぐ家庭・学校・地域の連携とPTAの役割」や「望ましい家庭教育の在り方、家族の役割と分担」についての多面的な情報提供や意見交換が行われました。

(5)南会津・田島町立荒海小学校での開催(参加者三七八名)

会津大学学生相談室渡部純夫先生の講演「子供の心は宇宙サイズ〜あなたは風をそそることができますか」により、子供の心理面を大切にした親のかかわりについて学びました。

研究協議は、会員の参加意識の高揚や資質の向上、家庭教育力の充実、文化・体育・社会体験活動の推進、健全育成の環境づくりと活動の推進について、主にその方法論が話し合われました。

また、演習の時間では、「田島万古焼き」や「軽スポトツ」に挑戦したり、田島町の貴重な文化財に接する機会を得ました。

(6)相双・原町市文化センターでの開催(参加者三四六名)

尚志学園専修学校講師二瓶由美子先生の講話により、生涯学習社会がもつ「個の尊重」の観点に立った「子供の自立心を育てるための家庭教育における親の役割」について学びました。

また、優良PTAとして県教育委員会表彰に輝いた相馬市立磯部中学校PTAによる実践発表もありました。

研究協議の分科会では、会員の意識や教養の向上、専門委員会・学年PTAの運営などの視点から、多様で活力あるPTA活動の在り方を探りました。分散会では、学校外活動、地域活動、郷土芸能活動、各種機関・団体との協力・連携などの視点から、子供の社会参加活動を促進するPTAの在り方についての協議を深めました。

(7)いわき・いわき市常磐公民館での開催(参加者五七九名)

いわき短期大学教授黒須敦子先生の講演により、「いじめ・不登校問題」の捉え方と対策について、またいわき市ボランティア連絡協議会長白石龍夫先生の講話から、今日のボランティア活動の在り方について学びました。

研究協議は、幼稚園・小・中学校ごとの分散会で「児童・生徒の健全育成するためのPTA活動」、高等学校・養護学校の分科会で「PTAの組織・運営や専門委員会活動の在り方」というテーマで、それぞれ話し合いが深められました。

また演習では、いわき市広報広聴課主査新妻英正先生による指導で、広報紙作成技術の習得について学びました。

 

四 おわりに

研修会は七つの方部ごとに開催しましたが、どの方部についても、参加者からは傾聴すべき情報や技術、意見などが提供され、子供・家庭・学校・地域に対する視野が広がり、PTA活動における新たな観点が得られたという声が寄せられました。

当研修会は、開催教育委員会やPTA連絡協議会・連合会の相互の連携により、今日的課題の意識化と会員のニーズや地域の実情・素材を生かした創意・工夫のある研修内容が設定され、また、参加者の自発性げ主体性を重んじた研修の効率的な方法により運営されました。そのことが、当研修会におけるすばらしい成果のもとと考えられますが、もちろん、研修の主体である参加者の熱意ある取り組みが果たした役割の大きさはいうまでもありません。

子供たちを取り巻く環境が急激に変化している現在、五十年近くの歴史・実績が示すように大きい潜在的可能性を持つPTA活動への周囲の期待は、ますます高まりをみせております。

県教育委員会としては、PTA活動の持つ大きな可能性を現実に機能するものにするため、生涯学習社会のなかのPTA活動という視点と、成人教育の推進という観点から、一層の支援を図っていきたいと考えております。

 

 

 


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