教育福島0199号(1996年(H08)11月)-039page

践は、その一つの例です。

今後も、児童一人一人の心情に思いを寄せ、自分の持っている可能性をさらに伸ばし、限りない躍進を目指していきたいと考えています。

　

　

いわきの吹奏楽

いわき市立第二中学校

　

「審査の結果を発表します…六番平第二中学校…金賞とこの瞬間、客席から歓声が沸き上がりました。関係者にはおなじみの吹奏楽コンクールの審査結果発表の瞬間です。

いわき市の吹奏楽人口は多く、児童・生徒だけでも優に二千人が常時活動し、市全体の吹奏楽経験者は数万人にのぼると言われています。

また、その演奏水準も高く、今年度の吹奏楽コンクール県大会では、参加総数九十五団体中、金賞が三十三団体。その金賞のうち、二十団体がいわき市からの代表でした。いわき市は県内屈指の吹奏楽が盛んな地区といえるでしょう。

このいわき市を支える力として特筆すべきなのが「指導者相互の協力とです。自分の学校だけでなく、時には小・中・高校の枠を超え、また年齢・世代を超え、お互いが「より良いもの」を目指して教え合っていくのです。時には言いにくいことも言い合いながら、みんなで高め合っていこうという気運がいわき市にはあります。指導者の世代交代が進んでも、この気運はいわき市の伝統として脈々と息づいています。

「より高いものをめざす」という共通目標をふまえ、個性の違う指導者たちが協力して事に当たる「一枚岩」の団結力がいわき市の勢いの原動力です。これを基盤として、音楽教育の振興はもちろん、吹奏楽をとおして子供たちの豊かな心・豊かな情操の育成をめざし、より幅広く「いわき」の名を高めていきたいものです。

　

　

未来にはばたく

新設校紹介

いわき市教育委員会

　

今春四月、いわき市では、小学校二校、中学校一校が開校されました。

中央台南小学校は、約二万五千人の住宅地造成が進む平と小名浜の丘陵地、中央台鹿島地区にあります。薄桃色の壁に緑の屋根、斬新なデザインでコンピュータ室に空調設備など最新式の設備を備えた校舎や体育館は、二十一世紀にはばたく子供たちの学び舎としてふさわしい環境です。全校児童六百九十二名、教職員二十名は、新しい学校にも慣れ、日々、充実した教育活動に励み、地域の方々と共に力強く歩み始めています。

泉北小学校は、異小学校の過大規模校を解消するために分離・独立して開校されました。太平洋を望む高台に建つ、クリームイエローのモダンな造りの校舎は遠くからでも目立ちます。八角形のユニークで機能性高い体育館、三階まで車椅子でも行けるスロープなどの設備の整った校舎で、全校児童六百七十五名と教職員二十八名が新しい校風を築くべく努力しているところです。

植田東中学校は、植田中学校の過大規模校を解消し、石塚地内の静かな環境の丘陵地に開校されました。白い壁で三階建て、青い屋根中央上部に白い大きな時計台のある校舎、全校生徒二百八十六名が学んでおりその時を刻んでいます。体育館にはミーティング主とシャワー室が備えられています。また、コンピュータ室、音楽室などの設備も充実し、恵まれた学び舎で、みんな心のびのびと個性を発揮し始めています。

開校された三校は、こはれからの社会の変化と個に応じ、より行き届いた教育の実現に向け歩み始めました。

　

中央台南小学校

　

植田東中学校