教育福島0200号(1997年(H09)01月)-009page

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「教育委員会月報」のねらいも同じだと述べている。さらに、次のように続き編集方針にまで及んでいる。

「年報が通俗的なのに比し、月報は事務局と出張所並びに各教育機関との連絡を図る機関紙的なものでありまして、その大体の編集方針は、

1)事務局の指導方針、事業計画を教育実践機関に周知させて、その運営に協力してもらうようにする。

2)各教育機関に於いて教育実践上参考となる資料を提供する。

3)主として学校並びにその教職員を対象とする。

4)十分活用されるようフォーラムを定めておき、夫々の項別に分類保管出来るようにすること。…」

また、二十四年の十一月一日には、第五号「教育委員会発足一周年記念特集号」と第六号「教育委員会発足一周年記念臨時増刊号」を刊行しており、当時(昭和二十三年十一月に県教育委員会が発足)のこの冊子にかける意気込みが伺われる。

 

「教育月報」と周辺

「教育委員会月報」は、昭和三十五年四月号からは「教育月報」と改称し、表紙には写真を使用し、グラビアのページも取り入れてある。いずれも白黒写真である。前年度にも文化財等の紹介等に写真は使用されてはいたが、編集計画に本格的な写真活用を取り入れたのは「教育月報」時代といえる。年度により頁数は違うが、定期的に刊行されている。

なお、それとは別に昭和三十四年から昭和四十二年度までは、当該年度内の総頁枠を定め、県教育行政の重点を集中広報する「教育時報」が刊行されている。内容的には、県議会、組合交渉、生徒急増期の対策、係争事件などが主流を占めている。昭和四十三年度には「教育速報」と改称し、一回四頁版として教職員全員に配布している。当初は発刊回数が多く(四十三年度・二十二回、四十四年度・十四回)あったが、年次進行毎に回数は減少(五十一年・六回、五十二年・四回)している。昭和五十三年度には現在の名称の「教育委員会だより」と改称し、内容は教育庁組織機構、人事院勧告、教育委員会重点施策で、年間数回の発行を行っている。昭和五十九年度からは、年度末に刊行することとして現在に至っており、平成七年度末で百四十三号を数えた。内容は、教育長のことば、予算、県教育委員会・教育庁陣容、教育庁組織及び電話番号一覧、教育庁各課・各係配置図を掲載した八頁となり、重点施策の具体的な内容や緊急広報を要する事項等については「教育福島」を活用して広報している。

 

「教育福島」の誕生

昭和四十九年度には、それまで継続発行された「教育月報」をはじめとする広報誌の見直しを図っている。

それまで義務教育課で刊行していた「学校教育」(年五回)と高等学校教育課の「高校ふくしま」(年二回)を統合し、県の教育行政と教育機関を結ぶパイプとしての役割を担う新時代の総合誌として編集企画された。

これが、『教育福島』である。

昭和五十年の「教育福島」創刊号は四十八頁構成で、昭和四十九年の「教育月報」の三十二頁より分量が増えている。内容を比較すると読者のことを考慮して「教育随想」への教職員の投稿が三名(二頁)から八名(八頁)に増えている。

また、新しい企画に「巻頭言」、「図書館コーナー」、「教育センターから」が加わった。なお、従来の「学校教育」、「高校ふくしま」が教育の質的向上に果たしてきた役割は貴重なものであり、それは「教育福島」の「特集」の項目に斬新な企画と内容の充実を図り、組み入れ生かされている。

その後、昭和六十年度には「巻頭言」を「提言」と変え、県内外で活躍している方々に執筆いただいている。本年度は、各学校や多くの方から推薦いただいた著名な本県出身者にお願いした。その他、各課・所・館からの教育関係事項や「わかりやすい教育法令解説」、「心に残る一冊の本」、県内にある施設を紹介する「ふくしま施設の散歩道」、国際化を考慮して外国教育事情や本県で活躍する外国人を紹介する「教育イン・ザ・ワールド」等が加わり、多彩で充実した内容となっている。

なお、冊子を飾る表紙絵に、現在は幼稚園・小・中・養護・高校の児童生徒の作品を活用しているが、昭和五十四年度から五十六年度までは教職員の絵画をカラー刷で取り上げたり、五十七年度から五十九年度までは米倉兌画伯による「おくの細道」シリーズで飾っている。この裏表紙まで使用しての墨彩画は、画期的な構成と絵画の妙が一致し、多くの読者の方から好評を博した。

また、この年には墨彩画を取り入れると同時に、カラー刷によるグラビアの頁を編集している。

その後の編集では常に写真の効果的な使用を念頭に置いている。特に「ふくしま国体」の広報では競技の様子等でグラビア頁を生かした編集を行い、臨場感を読者に提供した。現在も表紙を含め八頁のグラビア頁を継続しており、写真技術の進歩と相俟って各種企画の広報に華やかな彩りを与えている。今後とも多くの方から愛される広報誌でありたい。

 

 

 


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