教育福島0200号(1997年(H09)01月)-012page
特集1
平成8年度福島県公立幼稚園・小・中・盲・聾・養護学校
教職員研究論文入賞者決まる
応募総数79点 特選4点 入選11点
平成八年度福島県公立幼稚園・小・中・盲・聾・養護学校研究論文の募集に県内各地区の教職員や学校から七十九点の応募がありました。
各教育事務所の第一次審査及び義務教育課の第二次審査を経て、論文の最終審査会は、去る十一月五日に、四名の審査委員の先生方によって行われました。
その結果、次の四点(個人三点、団体二点)が特選となり、十一月二十八日に、自治会館において表彰式が行われました。
〈特選入賞〉
〇三春町立中妻小学校
(代表 校長 糠澤正美)
自ら文字を正しく整えて書こうとする意欲の育成をめざして
〇福島市立金谷川小学校
(代表 校長 根本歌子)
一人一人が生き生きと活動し、基礎的・基本的な内容が確かに定着する指導過程の追究(算数科)
〇大規 誠
(郡山市立富田小学校)
豊かな活動や体験を通して、生き生きと学ぶ子どもを育てるにはどうすればよいか
〇前田 敬
(下郷町立南小学校)
意欲的に自分らしさを表現できる子どもの育成に関する研究
また、十一点の論文が入選となりました。(別表参照)
本年度の応募論文を見ると、新しい学力観に立った授業改善等の研究とともに、アイディアに富んだ実践研究が数多く見られました。また、各学校ですぐに役に立つ様々な方策が検証された研究もたくさん見られました。しかし、以前に比べ資料が精選されては来ていますが、さらに研究論文と直結するものにしぼり、本文を読めば概要の分かる論文にすることが大切であると思われます。
〈審査委員〉
中村嘉男(福島大学教育学部教授)
庄司他人男(福島大学教育学部教授)
小林四郎(元福島市立福島第一中学校長)
椿薫(元福島市立福島第四小学校長)
〈審査の観点〉
1)研究の意図が明確で、主題は適切であるか。
2)研究の対象が明確であるか。
3)研究の計画及び内容が適切であるか。
4)論旨が一貫しており、説得力があるか。
5)必要な資料が精選され、整えられているか。
6)結論の導き方は適切であるか。
7)今後の実践に生かす手立てを講じているか。
〈審査講評〉
〇新しい学力観に立ち、学ぶ楽しさを追究する研究が多かったことは大変よろこばしい。
〇それぞれに新しい学力観に沿うべく指導を工夫しており好感が持たれた。
〇子供が成就感、満足感のもてる「楽しい授業のあり方」の追究は、生きる力の育成と結び付いている。
〇細かな諸調査やこれまでの指導の具体的な反省に基づき指導を進めている。
〇へき地(分校)における地域に根差した学習や不登校児に対する愛情あふれる指導、さらに若い教師の幼少期における体育指導の足跡など心打たれるものが見られる。
〇一人一人の子供の発想や願いを生かすなど、個性を重視した研究内容が位置付けられ、授業実践の中で検証がなされている。
〇単年度研究でなく、継続して研究されていたものがあり説得力がある。