教育福島0200号(1997年(H09)01月)-016page
場を与えれば、意欲を持って学習に立ち向かうことができると考えた。
まず始めに「試し書き」を行い、手本との比較や既習の学習の知識や技能の面から、単元の学習課題やねらいに気づかせる手だてをとった。
学習の規準をつかませるために、具体物を使って視覚に訴えた。例えば、低学年の学習に画の接し方『浅く』とか『深く』がある。この単元では、分解文字を使ったり、自分の指を使って書くなどの動作化をしたりして、どこがどのように接しているかを目で確かめさせた。(資料3)
2年 画の接し方(動作化による意識化)
毛筆の規準については、筆の動きが見えるように、すりガラスを使用したり、筆の一部に朱墨をつけて穂先の通り道をとらえさせたりした。自己の課題や学習のねらいが見えてきたところで、一人一人が自分の学習の計画を立てた。
学習計画表の内容としては、学習の規準や自己の課題、学習のめあてや計画、反省と課題などが記入できるようにした。児童は単元を通して自分で作成した学習計画表を活用しながら学習を進めることができた。
計画表の作成により、どの児童も意欲的に学習に立ち向かうことができた。
また、『規準』についても、意識化が図られ、文字の形を整えて書く児童が増えた。(資料4)
資料4 学習計画表と評価<高学年用>
(2)練習用紙を活用した授業
教師と児童との共同作業により、自己の課題解決に応じた練習用紙を工夫して作成していく。
毛筆用の練習用紙については、書写要素の基本点画を習得するための用紙と規準を解決するための用紙を準備した。
硬筆用としては、効果的に学習を進めるために、『言葉作り』をしながら練習できるように配慮した練習用紙を作成した。
個々の技能に応じて練習用紙を活用したり、学習の進度に応じて自己選択したりできたので、最後まで根気よく取り組めた。(資料5)
資料5 「自由」の練習用紙の例
(3)評価活動を取り入れた授業