教育福島0200号(1997年(H09)01月)-031page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

・連続性・発展性のある学習過程の工夫

・広がりや深まりのある学習過程の工夫

○学校と地域を結ぶコーディネーターによる協力的な指導(TT)の推進を図る。

○教師の支援と評価の一体化を図る。

 

五 研究の計画

 

授業改善の視点を四月から三月末までの各単元に位置付ける。さらに各単元間の連続・発展を図り、めざす子供の姿へ向け、授業の改善を行うことにした。

 

六 実践の概要

成果をもとに概要を述べてみる。

(子供の変容は省略)

(1) 地域の特性を生かし、素材の教材化を図る。

1)思いや願いをもとに直接体験を生かす学習過程の工夫

『学校の回りを探検しよう』の例

一次探検の後、子供の思いや願いをもとに、地域の酪農家の協力を得て「牛の世話」が展開した。

「人間の赤ちゃんと同じだね」とつぶやきながら粉ミルクを作り、小牛に与え、一生懸命に飲ませようとする。自分の小さい頃は、こうだったのかと思いを巡らす。世話を通して、一人一人の子供たちは『生命の尊さ』に気付き、自分の育ちと比較するようになっていった。さらに次単元「水族館を作ろう」では、子供から教えられた地域の素材を生かし、「魚つり」を行った。一匹でも多く釣ろうと先行経験を働かせ、興味を示す活動に没頭する中で、いろんな事を身に付けていくことができた。こうした得たものは、体験に裏付けされた知識であり、子供たちの大きな『自信』となっていくにちがいない。

2)連続性・発展性のある学習過程の工夫

『お米を育てよう』の例

探検の時、「お米を育てたい」というつぶやきが聞かれた。しかし、どの子も明確な見通しを持ってはいない。自分なりのめあてを持って、主体的に活動していくためには、まず思いや願いにそった活動を展開することが必要であると考えた。そこで地域の協力を求め「米作り」を展開することにした。種蒔き、田植え、草取りと活動する中で、適切な支援をしていくことにより、子供たちはめあてを持つようになっていった。

やがて秋の収穫を迎える季節が近づくと、家庭や地域の様子の変化を敏感に察知し、収穫の計画を立てる活動に発展していく。その後は自分たちで立てた計画により、見通しを持って、すげ作り・イネかり・脱穀・もみすり・精米等を全員で協力して行っていった。

3)広がりや深まりのある学習過程の工夫

 

図2 スパイラル図

 

図2 スパイラル図

 

『おまつりをしよう』の例

前単元の終末(まとめ)とのかかわりを持たせる教師の言葉かけにより、自然に「お祭りがしたいな」という願いを持つようになった。出店作りでは、前単元の「作って遊ぼう」「秋とともだち」との連続発展を図り、子供のよさや可能性を引き出す。伸ばす視点で支援した。子供は本物を作っているみたいという臨場感、当日を待つ期待感、一生懸命に自分を表出する没頭感を味わうことがで

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。