教育福島0200号(1997年(H09)01月)-033page

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合科的指導を行った。『カレンダー作り』や『劇・お米作り』では、その写真とつぶやきから、自分の活動を再構成し、豊かな内容に表現することができた。

2)変容を見取る工夫

四月初めから、子供の変容を把握するために「活動カルテ」の継続的な活用と累積を行ってきた。さらに学習カード・自己評価・作文などから子供の思いや願い、内面の変容を見取り、個に応じた支援ができるように努めた。

また、学んだことが家庭の中でどのように生かされているのかを把握するため、家庭に協力を求め、連絡帳やアンケート、手紙の活用を継続して行ってきた。家庭との連携を深めることにより、家庭での子供の様子や変容が把握できた。授業の中で共有する場を設け、良い事例を子供に返し、他に広めるようにしてきた。それが子供の「活動意欲」を高めることにつながっていったようである。

 

図3 支援・評価

 

七 研究の成果と課題

 

七 研究の成果と課題

 

『事象に進んで働きかけ、自らが持つ力を発揮し、自信を持って活動する子供』を育成する生活科への授業改善を目指し、年間を通して研究を進めてきた。以下、明らかになったことについて述べてみる。

(1)研究の成果

【子供の側から】

〇思いや願いを生かすボトムアップ型の授業により、新しいことを知る・学ぶ楽しさに気付き、自信を持って活動できるようになった。

また感性に働きかける活動や体験により、表現の意欲が高まり、表現力、創造力が豊かになった。(国語・図画工作への発展・充実)

〇地域の「よさ」に気付き、自ら植物を育てるなど、自然に親しむことができるようになった。

〇地域の人と接し、新鮮な気持ちで授業にのぞむことができた。また、人と接することが楽しくなり、学習後も多くの人にかかわろうとするようになった。

〇友だちや教師、地域の人に認めてもらうことで、自分の「よさ」に気付き、生活科は勿論、他教科、分校生活や家庭でも発揮できるようになってきた。

【教師の側から】

○ボトムアップ型の授業を行うために、素材を教材化する視点や手順を明確にした。その結果、子供の意識の自然な流れの中で、活動を連続発展させ、さらに広がりや深まりを持たせることができるようになってきた。

〇子供に対する地域の願いに直に接し、学習の中で生かすことができた。また、多くの人材を発掘することにもなり、地域の人の協力的な指導への関心を高めることができた。

〇見取りと支援の方策や「この子に何を学ばせたいのか」を明らかにしたことにより、子供の持つ力を引き出し、伸ばし、さらに自信を持たせることができた。また、家庭との連携が深まり、支援と評価において有効に活用することができた。

 

(2)今後の課題

 

(2)今後の課題

以下の点を今後の研究の課題としたい。

〇地域環境は絶えず変化するもの。豊かな活動や体験を引き出すために教師自らが地域環境に働きかけ、その豊かさを肌で感じ取るようにしていきたい。

〇生活科以外の教科の中で、協力的な指導を活用できるようにしていく。また、地域の有能な人材を活用する場を明らかにしておく。

〇生活科における教師の見取りと支援を他の教科でも有効に生かせるようにしていきたい。

 

 

 


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