教育福島0200号(1997年(H09)01月)-041page

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三 魅力ある学校外活動を求めて

 

福島県では望ましい学校外活動の在り方を探るために、七つの生活圏毎にモデル事業「ウィークエンド・サークル活動」の委託事業を展開しています。

今年度はいわき市、本宮町、塩川町、表郷村、都路村、檜枝岐村、鹿島町の七市町村が地域に根ざしたユニークな学校外活動を展開しているところです。

この委託事業をとおして次のような豊かな学校外活動の学びの場、遊びの場が提供されています。

 

(一)人と人との関わりを学ぶ場が設定されています。(人との出会い)

人間関係こそ生涯学習の重要なファクターであり、集団の中で子供は成長します。年齢や経験、身体の能力の異なる子供が成人と一緒に活動することによって社会人として必要な基本的な態度や基礎的な能力が育ちます。

このことからも交流の場を意図的に設けていく必要があります。

 

(二)自己決定の場が多く設定され、自主的に活動を選択できるような環境を整備しています。

子供の自主性や主体性を育てるには時間と我慢が必要です。指導者は活動の結果ばかりを見るのではなく、活動での試行錯誤など、過程を大切にしていきたいものです。

 

(三)未知との出会いや新しい自分との出会いに見られる感動を呼び起こす場面が数多く見られています。

少年期に受けた感動は、その人の生き方や感じ方に大きな影響を与えます。初めての体験を大事に自然のもつ美しさや厳しさ、人との出会いの中で感じる心の温かさに直接触れ合う場や人のために役立つ喜びを味わわせる場面を意図的に設けることも大切です。

 

(四)自分の地域のよさ「足もとの文化」を大切にした活動が展開されています。

地域には、子供の興味や関心を高める文化が数多く残されています。地域の伝承的な行事に子供たちが参加できる機会を与え、地域の誇りとなるモノ、コトを伝えていくことが大切です。

これからの国際化へ向けて自国の文化を語りうることの大切さ、自分の地域の文化をよく説明できることが求められています。

 

(五)親や地域の人々の持つ力を引き出し、多くの人の力を借りて子供を成長させています。

一部の指導者だけが子供たちの活動のお世話をするのではなく、地域の協力者や仲間を増やし、経験の豊かな高齢者の力を借りて、地域の子供を地域で育てることが大切です。

 

異文化にふれる「気分は留学生」ブリテッシュヒルズにて

 

異文化にふれる「気分は留学生」ブリテッシュヒルズにて

都路村ウィークエンド・サークル活動

 

四 子供たちの学校外活動研究集会

 

学校週五日制に対応して、子供たちの今日的課題である学校外活動に係わる諸問題や推進方策について研究協議をします。

(1)期日 平成九年二月十四日(金)

(2)場所 郡山市民文化センター

(3)講演 「生きる力と野外教育」筑波大学教授 飯田稔先生

(4)内容 モデル事業実施市町村の発表と研究協議

 

 

 


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