教育福島0201号(1997年(H09)02月)-033page

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先生が二人いるっていいな

−算数科のT・T授業をとおして−

塩川町立塩川小学校

 

本校はT・T方式推進モデル事業の指定を受けた塩川地区の推進校として、四、五、六年の学年、学級を対象に、T・T方式による授業を算数科で実践してきました。

T・Tの実践にあたっては、本校の児童の実態を考慮し、「個を生かす授業の創造」を目標に据え、本校としての独自性を念頭に置きながら日々の授業実践や授業研究を試行錯誤しながら積み重ねてきました。

当初は、児童、職員ともに、複数の指導者という緊張感の中、戸惑いや悩みも多かったのですが、日々の実践から、「わからないことがあっても二人の先生がいるとすぐに聞くことができる」「二人の先生からいろいろなアドバイスをもらえ、今までよりわかるようになりました」など、T・Tの授業を楽しみにする児童が増えてきました。

 

算数科のT・T授業

 

算数科のT・T授業

 

また、さまざまな形態の学習活動をとおして互いに教え合う姿も育ち、本校が目指す「思いやりの心」を持った児童の行動が、授業の中でも見られるようになりました。職員も、休息時間などのちょっとした時間に児童の様子や授業の進め方について情報を交わす姿が見られるようになりました。

T・T導入によって、今まで以上に多くの児童を深く理解し、支援し、評価することができるようになり、教材研究や授業の準備なども含め、一人では難しかったことも二人いることで可能になってきました。「いつでも、どこでも、だれでも」できるT・Tの授業を目指し、個に応じた指導の工夫と基礎学力の向上を図ることを第一に考え、児童主体の実践を重ねていきたいと思います。

 

環境に対し進んで見つめ、考え働きかける児童の育成を目指して

会津坂下町立坂下小学校

本校は、平成六、七年度の二年間にわたり福島県教育委員会より環境教育推進校の指定を受け、八年度も引き続き研究に取り組んできました。

研究主題を「環境に対し、進んで見つめ、考え、働きかける児童の育成」として、地域の恵まれた自然や生活環境を生かした体験的活動を重視しながら、教育活動全体を通して環境教育に取り組んできました。

各教科等の授業では、環境に対する認識を育てることをめざしました。また、環境に対する感受性や行動力を身につけさせるため、「豊かな自然に親しむ活動」「生活を豊かにする活動」「情報を広める活動」の三つを柱として、実践活動を行ってきました。

 

これはどんな木かな

 

これはどんな木かな

 

「豊かな自然に親しむ活動」として行った「ぼくら緑の探検隊」では校地内の木々の特徴を調べるために真剣になって木にさわったり、匂いをかいだりする児童の姿が見られました。ふだん何気なく見ていた植物に対して新たなる発見が見られ、身近な自然に対する愛着や親しみの心が育ってきています。

「生活を豊かにする活動」としては、児童会の環境委員会が全校児童に呼びかけ、「牛乳パックのリサイクルで多くの緑を守ろう」を合言葉に、牛乳パック回収活動を続けています。この活動をとおして、自分たちの消費生活のあり方を考え直すとともに、まわりの自然や人々に対する思いやりの心も育ってきています。

さらに、保護者や地域の人々が参加する実践活動も取り入れました。観察を行った「親子ふれあい活動」です。これらの活動や牛乳パック回収活動を通して、保護者の間にも、身近な環境問題に対する関心が高まりつつあります。

 

 

 


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