教育福島0202号(1997年(H09)04月)-012page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

地域に根ざした道徳教育の在り方・身近で具体的な活動の貴重な提言

−県南地区(平成8年度)−

道徳教育振興会議

 

ほほえみ・親切・実行

=家庭、地域社会、学校が一体となった道徳教育の推進=

 

平成八年度福島県道徳教育振興会議は、県南地区の東村を中心に開催されました。

この会議は、毎年各教育事務所単位に巡回して開催し、家庭・学校・地域社会が一体となって道徳教育を推進させるために実施されているものです。

東村を中心に、県南地区の各分野で活躍されている二十人の委員の方々から、貴重なご意見をいただき、「ほほえみ・親切・実行」をキャッチフレーズに、学校、家庭、地域社会が一体となって進める地域に根ざした道徳教育の在り方として実践可能な身近で具体的な活動を展開することを提言としていただきました。

ここに東村ならではの心の温まる「提言」「提言エピソード」の一部を紹介します。

 

厳しさと優しさ

 

厳しさと優しさ

会長 瀧澤明峰

 

今年度、福島県道徳教育振興会議が県南地区に委託され地区各界各層よりの二十名によって、五回の会議を開催し道徳教育の振興策について検討を重ねてまいりました。特に東村が平成七年度、平成八年度と文部省より道徳教育推進事業の指定地区にあたっておりましたので、平行した形で現状の共通認識をもつことができました。その共通認識の基本は『ほほえみ・親切・実行』という提言であります。

私も住職、教師、親という立場で子供たちの教育を模索してまいりました。その結果、子供たちを育てるのに大事なことは、厳しさと優しさの二つだと思いました。

まず、厳しさというのは、「一人立ち」ということだと思います。親は子にやらせてみて、たとえその結果が悪くとも、それでいいのです。自らやる意欲をもたせることが大事で、そうした意欲の欠けた子が多いのは、親が子供の世話をしすぎるからだと思います。失敗の積み重ねが成長につながるのですから、やり始めたらとことんやらせる厳しさを親は持つべきだと思います。

また、優しさというのは、「ふれあい」ということで、それには心のふれあいとからだのふれあいの二つがあります。まず、子供の話を聞き親も真剣に話しかけていく、それを繰り返すことによって親子の絆は深まり信じあえると思うのです。

しつけも、教育もまず信じ合うことから出発し、一人立ちの厳しさとふれあいの優しさの二つをより多く体験させることが大事な二本の柱になっているのではないかと思っております。

 

 

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。