教育福島0202号(1997年(H09)04月)-015page
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |
の生き方が個性豊かに表現されている資料の活用を図ること。
○領域・教科を合わせた指導においては、道徳の内容が適切に含まれるように計画すること。
○各教科、特別活動及び養護・訓練との関連を密にしながら、経験を広げ、豊かな道徳的心情を育て、広い視野に立って判断や行動ができるように指導すること。
豊かな体験の場や機会の充実
学校教育全体の中で、児童生徒が主体的に様々な活動に取り組み、温かい人間関係を育んだり、集団のために働く場や機会の充実を図ることが大切です。
さらには、校外活動や地域との交流を通して、人間関係を広げ、道徳性や社会性の育成を図ることが大切です。
〈指導に当たっての留意点〉
○学校教育全体で実践される豊かな体験活動は、それぞれのねらいがあり、それらのねらいを道徳の価値内容とのかかわりでとらえ直すこと。
○家庭や寄宿舎、学園や病院との連携を通して、一人一人の道徳的課題やねらいの共通理解を図ること。
子どもの心を育む一貫した教育の在り方
福島県立須賀川養護学校
一 指導のねらい
本校は、喘息や腎臓・心臓疾患等の慢性疾患のため、長期入院を必要とする児童生徒を対象として設置されている病弱養護学校です。
近年、児童生徒の病気の種類の変化、医学や医療技術の進歩に伴う治療法の変化等により、長期入院を必要とする慢性疾患の児童生徒が激減し、七年ほど前から学校生活に適応できない不登校の状態を併せもつ心身症等の児童生徒の転入学が増えてきています。
これらの児童生徒は、物事を否定的にとらえたり、自分に対して自信がもてなかったり、先々のことが不安になるなど、様々な心理的問題を抱えています。また、そうした心理的不適応の状態は、頭痛や腹痛など様々な身体症状となって現れてきます。
そこで、学校教育全体の中で各領域との関連性を図りながら、小・中・高が一貫して「心の教育」に取り組み、自分の良さを再発見させ、社会参加・自立への意欲を育てることをねらいとしました。
二 指導の実際
1 心の教育の指導
盲・聾・養護学校の学習指導要領には、養護・訓練という領域があります。この領域は、児童生徒の心身の障害の状態を改善し、回復または克服するために必要な知識、技能、態度及び指導を養い、心身の調和的発達の基盤を培うことをねらいとしています。
児童生徒一人一人の心身の障害の状態や発達段階等に即した個別の指導計画に基づき指導を行う養護・訓練の指導は、病弱教育の場合、特に心理的不適応の改善に関すること、障害を克服する意欲の向上に関することなど心理的適応を図る上で重要な意義をもっています。
本校では、週一〜二時間を設定し、一人一人に応じた指導を行っています。また、学校教育全体にわたって一人一人の心身の障害の状態に配慮しながら指導に当たっています。
(1) 指導に当たっての留意点
1) 一人一人の実態や問題点を明確にして、個人目標を設定し指導上の共通理解を図る。
2) 年間指導計画を作成し、教師の特性を生かした役割分担をする。
3) 指導内容に応じて、個別・グループ別・学級別・全体指導等、集団の構成を工夫する。
4) 児童生徒の反応や変容を記録し、日常的に情報交換し、次時への指導に生かす。
5) 各学期や年度ごとに各学部で実践の成果をまとめ、指導内容や指導方針の見直しをする。
(2) 指導内容の工夫
1) 障害を克服する意欲の向上
様々な心理的問題を克服し、病気に自分から立ち向かう心構えをしっかりもたせることが重要です。そこで、心理的問題を解消するための指導として、次のような内容を選定して、指導に当たっています。
主な指導内容としては、
ア 自分自身を見つめ、自己理解を深める内容
イ 自分を受容し、自己の課題に気付かせる内容
ウ 自分の課題を解決するための方法を知り、自分をより良い方向へ改善しようとする意識や態度を身に付けさせる内容
エ 障害のある人々の生活の疑似体験を通して、自分の生活を見つめ直す内容
オ 障害を乗り越え、社会自立している人々の体験を聞いたり、交流を深め、自分の生き
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |