教育福島0202号(1997年(H09)04月)-050page

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教育福島0202号(1997年(H09)04月)-50page


ふるさと探訪

県指定重要文化財(歴史資料)

陸奥国会津城絵図一舗

所在地 会津若松市城東町一番二五号 県立博物館

所有者 福島県

本図は、幕府より作成の命を受けた会津藩が正保三年(一六四五)に提出したものです。江戸城紅葉山文庫に保管されていましたが、戊辰戦争の際に東軍に持ち出されて放置され、それを山口孝平氏が発見・保存され、県立博物館の所蔵となったものです。縦二・五五メートル、横二・九二メートルと大きく、縦に四つ折り、横に六つ折りされ、畳まれた表には「陸奥之内会津城絵図保科肥後守(正之)」と墨書されています。堀・川を青、土塁を薄緑、道路などを黄、道筋を朱で彩色し、全体の縮尺を:一二〇〇分の一、城の部分を九〇〇分の一で描いています。

ほぼ中央にある本丸には天守・郭・堀・石垣・土塁・櫓・城門が描かれ、南を上にして「本丸平山城」、またそれぞれには間数が詳細に記入されています。城下は堀と土居により、「待屋敷」が立ち並ぶ郭内と「町屋」と「足軽町」「寺屋敷」等のある郭内に分けられています。

この絵図は城下町若松が正確に描かれた絵図としては最古ものです。また町割や道筋が正確に描かれ、一七世紀前半に加藤明成の改修により確定した会津城の改修後まもない頃の姿を示す点でも貴重な絵図で、平成九年三月二十五日付けで県指定重要文化財として指定されました。、

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<P>県指定天然記念物(地質鉱物)
<P>アイヅタカサトカイギュウ化石五点
<P>所在地 耶麻郡高郷村大字上郷宇天神後戊四一七 高郷村郷土貸料館
<P>所有者 高郷村教育委員会
<P>アイヅタカサトカイギュウの化石は、高郷村の阿賀川河床に分布する塩坪層上層部(約八百万年前)で発掘されました。頭蓋骨・前腕骨・肩甲骨・胸堆及び肋骨の五点からなっており、保存状態も良好です。現生する海牛類とは近縁ですが、乱獲のため絶滅したステラー海牛(ジュゴン科)の先祖に当たります。平成七年にジュゴン科・ヒドロダマリス亜科のDusisiren takasatensisとして新種記載されております。
<P>海牛類は、始新世の中期(約五千万年前)に出現した後、急速に分化した海生の哺乳類です。現生しているのはジュゴン科一種とマナティー科三種のみです。前肢は退化して外形はクジラに似ていますが、分類上は象に近いものです。これまで日本で発見された海牛類の化石は十数例知られていますが、頭蓋骨が完全な形で発見された例は珍しいことです。また、中新世(約二千四百年前〜五百万年前)のジョルダンカイギュウと鮮新世(約五百万年前〜百七十万年前)のクエスタカイギュウの中間の形態をもつことが明らかにされており、第三紀中新世から鮮新世にかけての海牛類の進化系統を考える上で、きわめて貴重な標本といえ、平成九年三月二十五日付けで県指定天然記念物として指定されました。
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