教育福島0203号(1997年(H09)06月)-012page
を整える。
自校の課題を明確にして共通実践事項等を確認し、生徒指導主事を中心に、特に養護教諭の位置付けを明らかにして児童生徒一人一人に応じた指導ができるよう、組織を生かした生徒指導の充実に努める。
(2) 課題解決に向けて具体的な指導計画に改善する。
1) 全教育活動を通して生徒指導の課題解決が図られるよう、各領域や日常の指導などの関連を考慮し、体系的で具体的な指導計画に改善する。
自校の課題解決のために、年間を見通して各領域や日常指導で重点的に取組むべきことは何かなど、具体的に機能する計画に改善していく。
(3) 計画的・積極的な学業指導に努める。
1) 生徒指導の場の中心となる授業では、自ら学ぶ意欲的な学習態度の育成に努め、自己決定する場を設定するとともに、自己存在感を味わうことができるようにする。
2) 児童生徒一人一人の思いや心情をとらえ、個に応じた学習指導に努めるとともに、人間的な触れ合いのある温かい学級の雰囲気のもとで学習できるようにする。
「自己決定・自己存在感・人間的触れ合い」の生徒指導の機能が、授業をはじめとする全教育活動の中で生かされ、人間的な触れ合いがあり、存在感を感じながら学校生活を送れるよう配慮することが大切である。
(4) 教育相談の充実と日常化に努める。
1) 身近な事例や各種の指導資料などをもとに研修を行い、教員の教育相談の資質や技能を高める。
2) 気軽に相談できる環境を整え、全児童生徒に対する計画相談や児童生徒の求めに応じた随時相談ができるようにする。
3) 児童生徒との日常的な触れ合いを深め、一人一人の問題や悩みを誠実に受け止めるとともに、解決のための指導援助を素早く、しかも完全に解決するまで行う。
教師と児童生徒の信頼関係が教育相談の基盤になっている。児童生徒一人一人の理解と親身になった相談を、早め早めに行うべきである。
(5) 問題行動等の未然防止、早期解決に努める。
1) 校内にいじめや登校拒否対策委員会等を設置し、保護者等との情報交換、児童生徒との接し方、相談や指導の在り方について具体的に検討し、学校ぐるみで対応できるようにする。
2) いじめや登校拒否の予防的対応に関する共通理解を図るとともに、早期発見・早期対応に努め、学校アドバイザー・巡回面接教育相談員や関係機関との連携を密にしながら解決に努める。
いじめ・登校拒否問題については、担任任せにすることなく学校をあげた取組みをすべきである。また、学校アドバイザーや巡回面接教育相談員等に早めに相談することも大事なことである。すなわち、担任やあるいは学校が解決の糸口を見い出せず問題を抱え込んでしまうことのないように注意すべきである。
(6) いじめ問題解消に努める。
1) いじめに関する調査を定期的に行い、実態把握に努めるとともに、児童生徒の悩みや相談を真剣に受け止め、問題の早期発見・早期対応に努める。
2) 正義感や人間尊重の精神、人間としての生き方に関する指導等を計画的に行うとともに、児童・生徒会活動を核としての児童生徒が自らいじめ等の問題をなくしていこうとする活動を指導援助して、いじめ問題の根本的解決が図れるようにする。
3) 学校・家庭・地域社会の連携を強め、いじめ問題解決のための組織つくり、地域をあげた問題解決のための素早い対応と継続的な指導ができるようにする。
いじめ問題については、PTAや地域の協力も得て、早期発見・早期対応に努めるべきである。そして、いじめは絶対に許されないことや素早い対応とともに、解決するまでいじめられている子を徹底して守ることなどを踏まえて指導すべきである。
(7) 登校拒否の解消や非行防止に努める。
1) 事例研究会を定期的に実施し、登校拒否児童生徒や対応の仕方についての理解を深め、指導力の向上に努める。
2) 問題行動を繰り返す児童生徒については、指導体制を整え、保護者及び関係機関と連携して、全教師が一貫した態度で継続的な指導にあたり、解決に努める。
登校拒否問題については、早めに巡回面接相談員等に相談し適切な対応策をとるようにすべきである。また、問題行動を繰り返し、学校の指導の範囲を越え、家庭の協力も限界であるなら、早めにPTAや地域の協力を得たり、警察署等関係機関に相談したりして早期解決を図るようにする。その際、相談した関係機関に任せ切りにすることなく、連絡を取り合って指導の充実を図ることが大切である。