教育福島0203号(1997年(H09)06月)-013page

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生徒指導の充実

養護教育課

 

一 はじめに

 

今年度の指導の重点「生徒指導」では、児童生徒一人一人の意思や個性を生かしながら、好ましい人間関係を育成するとともに社会的な資質や行動力を高めるために努力すべき事項を設定しています。(表一)

生徒指導の内容としては、

1) 事故の防止と安全指導に関すること

2) いじめに関すること

3) 登校拒否に関すること

4) 進路指導に関すること

5) 性的行動に関すること

などが考えられます。これらのことは、障害の有無にかかわらず、児童生徒一人一人の人格のよりよき発達のために欠かせない指導内容と考えています。

 

二 家庭、関係機関との連携の重要性

 

県内の養護教育諸学校は、児童福祉施設、医療機関などと隣接又は併設していたり、病院の中に学校があったりします。

また、盲学校、聾学校、郡山養護学校、平養護学校のように、寄宿舎が設置されているところもあります。

このように、養護教育諸学校に通学する児童生徒は、家庭だけでなく、さまざまな環境のところで生活をしています。

したがって、第一五期中央教育審議会第一次答申(平成八年七月十九日)でも指摘されていますように、学校で生徒指導の問題すべてを抱え込むのではなく、家庭や関係機関などですべきことは、そこで指導を行うなど、それぞれの役割分担を考えた連携が、これまで以上に重要になっているのです。

 

三 生徒指導にあたる教師の姿勢

 

(1) 『問題』をどうとらえるか

いじめや登校拒否など『問題』と思われる行動にであった場合、教師は、どう対処しているのでしょうか。その原因を、児童生徒側だけに求めていないでしょうか。

児童生徒は、自分だけの理由で行動しているわけではありません。図一に示したように、他の児童生徒や教師、家庭など、自分の周りにいる他者との関係やその子が置かれている状況(環境、地域)を背景として行動しているのです。ですから『問題』と思われる行動が生じた場合は、その行動だけを見ていても、問題解決にはつながらない場合が多いのです。

言い方を変えると、他者やその子の置かれている状況などに問題があることを、児童生徒がことばではなく、児童生徒自身の『問題行動』として表出し、周りの人にその問題の所在を訴えている場合もあるのではないでしょうか。

(2) 教師の視点

教師の意識のもち方も、『問題行動』を見る場合に重要な要素となってきます。『問題』と思われている行動、訳のわからないと思われる行動を、その児童生徒によって必要なもの、有効なもの、そういう行動をとらねばならなかった理由があるというように、教師の『見方』そのものを見直すことも有効なのです。

児童生徒の行動を理解するためには、教師の立場(視線)を児童生徒より低くして立つこと(understand)が必要なのではないでしょうか。

 

四 生徒指導(教育相談)の実際

〜福島県立郡山養護学校〜

 

(1) 学校の概要

肢体不自由養護学校である郡山養護学校の教育課程は、さまざまな児童生徒の実態に応じて、

1) 普通通学級

2) 重複障害学級(更に三種類に類型化されています。)

3) 床上学級

4) センター内重複障害学級

5) 訪問学級

の形態でそれぞれ編成しています。

 

 

 


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