教育福島0203号(1997年(H09)06月)-037page

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3) 教師の資質向上(カウンセリング講習会等:写真1)

(2) 生徒の意欲的な活動を支える基本的な実践事項を定めた。

1) 生徒とのラポールづくり

2) 基本的生活習慣の確立

3) 生徒活動の活性化(生徒会による、あいさつ運動・ボランティア活動等)

(3) 生徒のかかえる諸問題解決のための対策

1) 共通理解の場の確保(学年部会、指導部会、生徒指導協議会)

2) いじめ・不登校対策委員会の設置並びに事例研究会の実施

3) 家庭・地域・関係機関との連携(連絡協議会等)

 

4 PTA地域連携研究委員会

(1) 今までPTA行事を消化するための委員会にとどまっていたPTA常任委員会を、地域の情報、要望など、生徒とのかかわりを確かめ合う場として見直した。

(2) 地区懇談会を開催し、地域との連携を深めた。

1) 今日的な学校教育の課題や地区の諸問題についての話し合い

2) 子育てに関する問題の共有化や家庭同士のネットワーク化

3) 学校からの要望、地域からの要望の収集・改善

(3) 補導委員会(地区委員)との連携強化を図った。

1) 委嘱状交付による意識の高揚

2) 定期会合だけでなく、普段からの連絡体制の整備(テレホンカードの配付)

(4) 生徒、保護者(地域)、教師が活動を共有し合う場を設定した。

1) PTA学年行事、資源回収活動、地域公開学校祭

(5) 広報活動の充実を図った。

1) PTA会報等の地域全体への配布

2) 地域の中での教育のあり方についてアンケートを実施し、結果を地区懇談会の話題としたり、地域の広報紙に掲載した。

 

(写真2 あいさつ運動)

(写真2 あいさつ運動)

 

四 研究の成果及び今後の課題

 

一 研究の成果

 

(1) 生徒指導の機能を生かした「わかる授業」づくりを通して、生徒主体の授業へと様々な取り組みが見られ、その中で、生徒が生き生きと活動する場面が多くなってきた。

(2) 特別活動や授業において、教えるべきことは教えながらも、生徒の課題意識を刺激し行動を提すように心がけてきた結果、リーダーの自覚が高まると同時に、生徒全体の意識も高まってきた。

(3) 特別集会では、感動を共有できただけでなく、生徒にとっては、「自分たちでできる自信」を、教師にとっては「生徒の可能性のすばらしさ」を再確認することができた。

(4) あいさつ運動(写真2)は、生徒会を中心に毎日行われるようになった。その結果、全校生の意識が高まりつつある。

(5) 事例研究会や講習会を通して、生徒理解や雰囲気づくりの大切さへの認識が高まると共に、問題行動等への対応については、全職員の共通理解と校内体制の確立を第一と考える雰囲気が出てきた。

(6) 家庭・地域との連携については、これまでの組織や行事等を改めて見直す中で、連携の大切さへの認識が高まった。

 

2 今後の課題

 

(1) 基本的な生活・学習習慣の定着がまだ十分でない。今後も教師の継続指導と共に生徒の活動を取り入れた生徒からの意識化を図る必要がある。

(2) 研究主題とのかかわりで「意欲面」では、まだ十分には育っていない。「指示待ち」から離れて「自分から」には、さらに、生徒一人一人のよさを認めながら、そのよさを伸ばすといった個々に目を向けた指導のあり方について研究を深める必要がある。

(3) いじめ・不登校等の問題については、対策委員会を設置し、学年で分析し全体で対応策を考えるというような体制が確立しつつあるので、さらに改善を加えながら、効果的に機能できるようにしていく必要がある。

(4) 家庭・地域との連携については、さらに働きかけながら、開かれた学校づくりを目指すとともに、積極的に地域の力を取り入れた学校づくりをしていく必要がある。

(5) 「生徒の変容は教師から」を今後も肝に銘じて、教育活動に当たっていく必要がある。

 

 

 


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