教育福島0204号(1997年(H09)07月)-008page

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特集

学校教育の推進

義務教育課

 

はじめに

 

県教育委員会は、第四次福島県長期総合教育計画の基本目標である、「新世紀ふくしまを担う明るく個性豊かな人間の育成」の実現に向けて「平成九年度重点施策」を設定し学校教育の充実をはじめ、生涯学習の推進、文化及び体育・スポーツの振興などさまざまな施策を積極的に展開している。

重点施策の指針は、次の四点である。

一 県民の多様な学習ニ−ズに応える生涯学習の振興

二 社会の変化に主体的に対応できる心豊かでたくましい児童生徒の育成

三 潤いと個性に満ちた文化の振興

四 県民の活力をはぐくむスポーツの振興

子供たちを取り巻く環境の変化には著しいものがあり、今後も一層複雑化、多様化していくことが予想されることから、変化の激しいこれからの社会を生きる力を子供たちにバランスよくはぐくんでいくために、学校教育をより一層改善・充実するとともに、学校・家庭・地域社会の連携を図っていく必要がある。

「社会の変化に主体的に対応できる心豊かでたくましい児童生徒の育成」については、次の基本的方向を設定し、具現に向けて努力を重ねている。

(1) 個性を生かす教育の充実等教育課程の改善・充実

(2) 学力向上施策の推進

(3) 生徒指導の充実

(4) 県立高校改革の推進

(5) 養護教育の充実

(6) 情報化・国際化等の社会の変化への対応

(7) 健康教育の充実

(8) 教育諸条件の整備・充実

(9) 教職員の資質・能力の向上

(10) 学校週五日制への対応

学校教育を一層充実させるためには、自校の教育活動を教育の原点に立ち返って見なおし、学習指導要領の趣旨の実現を図るよう創意工夫を凝らした積極的な教育活動の展開が求められる。

 

1 教育課程の改善・充実

 

中央教育審議会の第一次答申では「ゆとり」の中で「生きる力」をはぐくむということを基本に提言がなされた。「生きる力」は、いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、また、自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など豊かな人間性と、たくましく生きるための健康や体力であると考えられている。

この「生きる力」は、自ら学ぶ意欲と社会の変化に対応できる力として現行の学習指導要領で強調され、各学校で実現に向けて力を入れている新しい学力観に立った教育の考え方と重なっているので、各学校においては、学習指導要領の趣旨をふまえ、基礎・基本の定着、個性を生かす教育及び自己教育力の育成を重視し、教育課程の改善・充実に努めることが大切である。

そのためには、児童生徒一人一人を大切にし、児童生徒が自分のよさを見いだし、それを伸ばしながら存在感や自己実現の喜びを実感できるような方策を講じ、実践を重ねながら改善していく努力が求められる。

特に、各学校においては、次の点について主体的な取り組みをすることが望まれる。

(1) 児童生徒の実態を具体的にとらえ、目指す児童生徒像を明らかにし

 

 

 


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