教育福島0204号(1997年(H09)07月)-035page
三 定時制・通信制高校の配置
(1) 改革への視点
定時制課程に学ぶ勤労青少年の就業形態が変化し、夜間だけでなく昼間での就学を希望する者が増加するなど、多様な学習ニーズを持った生徒が入学するのにともない、多様で柔軟な教育をはじめ、定時制高校への新たなニーズが高まってきています。
また、通信制課程においても従来の通信教育での学び方に加え、不登校生徒のための自宅学習の機会として、あるいは大学入学資格検定制度と併用して進路実現を目指すなど、新たな学び方が求められています。
そこで、現在の定時制・通信制高校を次の視点に立って、多様な学習ニーズに応える新しいタイプのものに改革する必要があります。
1) 定時制高校は、新しい柔軟な学び方で高校教育を受けることができる単位制高校とする。
2) 様々な学習歴をもつ多様な生徒の就学の場として、また、社会人が聴講できる生涯学習の場としての活用を図る。
3) 県内の各地区において通信教育を受けることができるように、施設・設備の整備を行い、通信教育の全県ネットワーク化を図る。
(2) 定時制単位制高校の配置
1) 定時制における単位制課程とし、設置学科は普通科とする。
2) 昼間主コース及び夜間主コースを設けて、両コース間の併修を認める。
3) 柔軟な単位認定を行う。
・定時制課程と通信制課程での単位の併修を認める。
・過去に修得した単位や大学入学資格検定で合格した科目の単位を卒業に必要な単位として認定する。
・技能審査の成果や専修学校における学習成果を単位として認定する。
4) 転編入学定員の特別枠を設ける。
5) 聴講制度を取り入れる。
(3) 定時制単位制高校の配置
各地区の定時制高校のうち、次の四校を新しい定時制単位制高校として配置します。
県北 福島中央 県中 あさか開成須賀川校舎(独立校化) 会津 会津第二 いわき いわき光洋
県南及び相双地区への新しい定時制単位制高校の配置については、今後、検討します。
(4) 通信教育の充実
1) 「通信教育実施校(通信制高校)」を現在の「あさか開成高校」とし、各地区に「通信教育協力校」を配置する。
2) 通信教育実施校の施設・設備の整備を行い、各地区の通信教育協力校にスクーリング専用教室を確保する。
四 総合学科高校の配置
(1) 総合学科のねらい
総合学科は普通教育と専門教育を総合的に行う第三の学科であり、高校教育改革のパイオニア的役割を果たすものとして期待されています。総合学科高校は、生徒が自己の能力や適性を見いだし、主体的、創造的に生きていくことができるよう、「自己の進路への自覚を深めさせる学習」や「個性を生かした主体的な学習」を重視する新しいタイプの学校です。
本県でも、将来の進路実現に必要とされる科目群や特定の分野を専門的に学習する科目群などの、多様な「系列(選択科目群)」を設けた総合学科高校を設置し、生徒の希望や地域の期待に応える必要があります。
(2) 設置の基本的な考え方
1) 将来の職業や学習に必要な能力と資質を養うため、多様な普通系の系列を専有する総合学科高校を設置する。
2) 地域の要望に応え、地域社会を担う人材を育成するため、多様な専門科目からなる系列を有する総合学科高校を設置する。
なお、総合学科高校の配置計画は次のとおりです。
年度/地区 平成8年 平成9年 平成10年 平成11年以降 県北 安達東 福島地区 県中 小野 郡山地区 県南 光南 会津 < /TD> 会津若松・喜多方地区 いわき いわき中南部地区 相双 双葉翔陽 相馬地区
おわりに
今回は一第一次まとめにとして発表しましたが、学校の適正配置や新しい構想による学習施設等の設置などを内容とする改革計画については、今後、「第二次まとめ」として策定する予定です。