教育福島0205号(1997年(H09)09月)-017page
工夫する。
各学年あるいは三年間の指導に系統性、発展性を持たせるためには、題材の体系化、指導の構造化を図る必要がある。そのために例えば「資料1」のような「学級活動における進路指導の題材系統表」にまとめることは、教師間の共通理解を図るのに有効である。
※平成6・7・8年度中学校進路指導総合改善事業実施校 福島市立信陵中学校 第3年次研究発表会 研究資料2)より抜粋
この系統表を踏まえ、各時間の指導計画を作成することになる。ここでは、今後の指導との関連を考慮する必要がある。例えば、一学年の学級活動として「資料2」のように、職場見学で得た情報を学年全体で共有化する活動にとどまらず、生徒のパネルディスカッションにおいて、「さらに深く知りたいこと」というテーマを意図的に設定し、ここで話し合われた内容を二学年で実施される職場体験学習につなげていくのである。
また、啓発的な体験を通して学んだことは、「資料3」のように、必ずその後の進路学習に生かしていくことが大切である。この授業のように、将来の職業選択というやや抽象的な内容を取り扱う際に、職場体験で学習してきた生徒の具体的な体験を活用することにより、生徒たちが、課題を身近なものとしてとらえ、主体的に進路学習に取り組むようになるのである。
体験をとおして得たものを、共有し、それらをもとにして自己を振り返り、今後の進路選択に生かすようにする意味からも、学級活動と啓発的な体験とを、さらに密接に関連づけていく必要がある。
生徒たちにとっては、自分たちの親は親でしかなく、職業人としての側面あるいは、職業選択・決定の先輩としての側面を持った存在とはとらえていない。子供たちにもっとも