教育福島0205号(1997年(H09)09月)-021page

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特集2

 

進路指導の充実

「養護教育進路指導推進事業」を中心として

養護教育課

 

1)社会参加・自立をめざす進路指導

 

1 はじめに

 

盲・聾・養護学校高等部卒業生の大部分は、企業や小規模授産所等において、働くことを中心とした生活を送っている。

社会生活に必要とされる生徒の自立的な力や働く力は、卒業間近になって、急に育てられるものではなく、学校の教育活動全体を通して、長期にわたって職業生活及び家庭生活等に必要な事柄を身につけられるようにする必要がある。

進路指導について、特殊教育諸学校高等部学習指導要領解説 養護学校(精神薄弱教育)編 によると、「進路指導は、一人一人の生徒が自己を理解し、生徒自ら決定できる能力を育てるとともに、自分の生きがいと深くかかわる自覚を深めさせる指導である。」とある。

このことは、学校生活において、自立的に生活する経験を積み重ね、学校生活を卒業後の生活につながるように指導することが大切である。進路指導は、こうした努力の上に、計画的、組織的、継続的に展開される必要があり、進路指導が適切に行われれば、学校教育の成果を十分生かすことができ、卒業後の社会参加が円滑に進み、「生きがい」のある生活ができるようになる。

 

2 進路の状況

 

高等部生徒の卒業後の進路は、その障害等の状態や本人の希望、適性などに応じ、専攻科への進学者、教育訓練機関への入学者、企業等への就職者、社会福祉施設等への入所.通所者など様々である。

高等部卒業者の進路状況(平成九年三月卒業者)は、表1のとおりである。

 

3 これからの課題

 

盲・聾・養護学校においては、児童生徒の能力や可能性を最大限に伸ばし、可能な限り積極的に社会参加・自立していく人間の育成を図ることを目的として、児童生徒一人一人の障害等の状態や発達段階などに応じて、特別な配慮の下に、手厚く、きめ細かな教育を行っている。

しかし、高等部進学率の上昇に伴い、入学してくる生徒の障害等の状態がより重度・重複化するとともに、多様化の傾向にある。

そのため、就職については、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(昭和三十五年)等により、障害の重い者も含めて多様な職域への進出が図

 

表1 平成8年度盲・聾・養護学校高等部 卒業生進路状況

平成9年3月卒業

 

(注)盲学校の専攻科は、高等部に含む。()内が専攻科で内数

 

(注)盲学校の専攻科は、高等部に含む。()内が専攻科で内数

 

 

 


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