教育福島0205号(1997年(H09)09月)-022page

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られてきているが、その割合は必ずしも高まっていない状況にある。

また、施設入所等についても、施設の絶対数の不足から「入所待ち」が多くなっているのが現状である。

そこで、進路指導のより一層の改善・充実に向け、次のような課題に対応していく必要がある。

 

1)新たな職域・職種の開拓

 

社会経済の変化に対応しつつ、生徒の能力や可能性等を最大限に生かせる新たな職域.職種の開拓に努める。

 

2)障害児への理解と協力

 

障害児の社会参加・自立のためには、施設・作業所・事業主さらには労働・福祉関係諸機関はもちろん、広く地域社会の方たちの理解と協力が必要である。

 

3)労働・福祉関係諸機関との連携

 

生徒の特性等を正確に把握し、卒業後の進路を最大限に実現するため、関係諸機関との連携の強化を図る。

 

4)総合的・体系的な取り組みの推進

 

生徒の卒業後の社会参加・自立を最大限に実現するため、学校間の密接な連携、各学校内における協力体制の確立、生涯を展望した進路指導の実現など、総合的かつ体系的な取り組みの推進を図る必要がある。

 

2)養護教育進路指導推進事業

 

盲・聾・養護学校の進路指導の改善・充実に向け、前述した課題に対応していくため、本県では、平成八年度より「養護教育進路指導推進事業」を県内三地区の精神薄弱養護学校を中心に実施している。

以下、その概要について紹介することとする。

 

1 事業の目的

 

障害のある児童生徒の社会参加・自立に向けて、一人一人の発達の状態や特性、興味・関心及び家庭や地域の条件等に応じた進路指導の在り方について研究協議する。

さらに、進路実現のために、作品展、事業所訪問等を通して関係者の理解啓発を促進するとともに、進路開拓の支援方策を推進する。

本事業の推進に当たっては、養護学校を拠点に中学校特殊学級を含めて、地域に根ざした進路実現を目指すものである。

 

2 事業内容

 

(1)事業の実施校

 

あぶくま養護学校、会津養護学校、いわき養護学校

 

(2)実施協力校

 

実施校の所在地にある特殊学級設置中学校 各二校 計六校

 

(3)実施期間

 

平成八年度〜九年度

 

(4)進路指導推進協議会の開催

 

事業の実施校は、「進路指導推進協議会」を組織し、事業推進の計画の策定や実施結果の検討を行うため、年二回実施する。

〈委員〉十五名

○事業実施校及び実施協力校の職員等

○事業所及び福祉施設関係職員等

○労働、福祉及び教育関係機関職員等

〈協議内容〉

○生徒一人一人の進路指導の在り方

○職業教育の理解啓発の在り方

○養護学校と特殊学級の共同現場実習等の在り方 等

 

(5)進路指導推進担当者会の開催

 

事業の実施校は、「進路指導推進担当者会」を組織し、進路指導推進協議会で計画された事業の具体的な企画、調整を行う

 

表2 平成8年度養護教育進路指導推進事業実施状況

実施校あぶくま養護学校会津養護学校いわき養護学校
協力校郡山市立安積中学校
郡山市立守山中学校
会津若松市立第二中学校
会津坂下町立第二中学校
いわき市立内郷第一中学校
いわき市立好間中学校
主な実施内容 ・9月
第1回推進協議会
・10月
雇用に関するアンケート実施
・10月
事業主の学校参観協力校の学校参観
・11月
合同作品・製品の展示会
・11月
共同職場見学
・2月
中間報告書の作成
・3月
第2回推進協議会
・6月
第1回推進協議会
・9月
現場実習、校内学習見学会
・10月
作業学習等作品展示即売会
・12月
事業主、協力校、保護者等の授業参観・懇談会
・2月
中間報告書の作成
・3月
第2回推進協議会
・6月第1回推進協議会
・9月
協力校生徒学校見学
・10月
作業学習作品展示会
・11月
合同現場実習、事業主の学校訪問
・11月
現場実習等の体験作文、評価表等の資料の発行
・1月
事業所訪問
・2月
中間報告所の作成
・3月
第2回推進協議会

 

 

 


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